エジプト:アッ=スィースィー国防相が警告「諸勢力が1週間以内に和解しなければ軍の介入も辞さない」
2013年06月24日付 al-Hayat 紙


■エジプト:アッ=スィースィー国防相が警告「諸勢力が1週間以内に和解しなければ軍の介入も辞さない」

2013年6月24日『アル=ハヤート』

【カイロ:ムハンマド・サラーフ】

エジプトのアブドゥルファッターフ・アッ=スィースィー国防相は、昨日(23日)晩に行われたムハンマド・ムルスィー大統領との会談前に、諸政治勢力に対し、1週間以内、すなわち今週日曜日(30日)に実施が決定されている反体制派の大統領退陣要求デモの前に合意に至らなければ「軍の介入」も辞さないと警告した。これはアル=ファイユーム県、アル=ガルビーヤ県、カフル・アッ=シャイフ県で発生した大統領支持者と反対派の衝突で数十人の死傷者が出たことを受け、政府と反体制派の対立の激化から内戦が勃発することを危惧したものである。

アッ=スィースィー国防相は、昨日(23日)軍が開催したセミナーでの声明のなかで「正当性」に関する言及を避けた。ムルスィー大統領支持者は、この「正統性」の擁護をスローガンとして掲げて結集としている。同大臣は「エジプト国民の意志こそがわれわれを統治するものであり、われわれは名誉と高潔さを持ってこれを守る。われわれは国民の意志を守る全責任を負い、これを侵害することを許さない。相互理解と合意の形を作り出すためにわれわれに与えられた時間は1週間である」と述べた。

また同大臣は「エジプト国民を恐怖に陥れる行為を前にして黙っていることは勇敢ではない。軍が存在するなか、われわれにとって死とは、エジプト国民の一人として触れるもののなかで最も尊いものである」と述べた。これはムルスィー大統領の支持者が先週金曜(21日)に行ったデモにおいて、反対派が大統領退陣の要求に暴力を行使した場合に「反対派を壊滅させる」と警告した脅迫に対する反応とみられる。

アッ=スィースィー大臣は「軍はこれまで政治の場に干渉することは避けてきたが、軍の国民に対する愛国的・道徳的責務は、エジプトが紛争、内戦、犯罪、反逆、宗派対立、国家機構の崩壊といった暗いトンネルに滑落することを阻止するために、介入を余儀なくする」と述べ、政府と反体制派に対し「エジプトと国民を行き過ぎなく守るために、相互理解、合意、そして真の和解の形を見いだすこと」を呼びかけた。また同大臣は「1週間でわれわれは多くのことを実現できる、それは愛国心や、祖国の現代と未来への愛から奪うことのできない訴えである。われわれがエジプトという国家を脅かす危機から離れたところにいると考える者は誤っており、われわれは制御が困難な紛争に国が滑落するのを前に沈黙したままではいない」と述べた。さらに同大臣は「軍の結束」を強調した上で「軍の指揮権と象徴に対して繰り返される侮辱は、エジプト国民主義とエジプト国民全体への侮辱」と非難し「武装部隊は今後、 軍に対するいかなる侮辱に対しても黙ってはいない。このことがエジプトの国家安全保障に及ぼす危険を皆さんが認識されることを望む」と述べた。

(後略)


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:渡辺真帆 )
( 記事ID:30570 )