イラン、EUと湾岸協力会議による共同声明に反発
2013年07月02日付 Mardomsalari 紙

 イラン外務省は、〔バーレーンの首都〕マナーマで採択されたペルシア湾岸協力会議とヨーロッパ連合(EU)の外相らによる共同声明を批判した。

 セイエド・アッバース・アラーグチー外務報道官は、マナーマで採択されたペルシア湾岸協力会議とEU外相らによる共同声明、ならびに〔湾岸協力会議とEUによる〕会議の傍らで一部参加者がイラン・イスラーム共和国について行った発言に応答する形で、「遺憾なことに、この会議の開催の過程で、原理原則に反した、根拠のないスタンスが一部で表明されたのを、われわれは目の当たりにした。これは、これらの国々が地域で起きている現実について、誤った理解をしていることを示している」と述べた。

 同氏はさらに、「シリア情勢にイランが介入しているという根拠のない主張が繰り返されているが、その一方でこれらの国々の中には、敵意に満ちたスタンスを取ることで、あらゆる政治的解決の道を破綻へと追い込み、さらには無辜の市民に対する支援という名目で、実際には武装したタクフィール集団〔※〕を支援することで、同国の市民の殺戮・略奪を煽っている国もある」と付け加えた。

※訳注:「タクフィール」とは「背教徒宣告」の意で、「タクフィール集団」とは要人や一般市民に対して「タクフィール」を宣言することで、彼らの殺害を正当化する一部の過激派のこと。1997年にエジプト・ルクソールで日本人を含む観光客62名を殺害した「イスラーム団」などがその典型であるが、ここでアラーグチー報道官が念頭に置いているのは、シリア内戦で暗躍する(カタールなどによって支援されているとされる)アル・カーイダ系の組織のことである。

 イラン外務省報道官は、イラン領の三島〔※アブー・ムーサー島および大小トンブ島〕やイラン・イスラーム共和国による平和的核計画、およびブーシェフル原発に関して根拠のない主張が繰り返され、ペルシア湾地域で起きている変化の波に無関心を決め込んでいる態度にこそ、ペルシア湾という重要かつ敏感な地域の政治的領域に存在する現実・真実への彼らの無知が端的に表れているのだと指摘した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8411011 )
( 記事ID:30704 )