ゲズィ運動を襲った丸包丁の男、カサブランカに出国
2013年07月13日付 Milliyet 紙


タクスィムにおいて市民を丸包丁で襲ったS.Ç.被疑者は、拘束後、裁判所により逮捕起訴されなかった。しかし、その後、(市民からの)不服申し立てをうけ、裁判所は逮捕決定をしたが、それが執行される前に、被疑者はモロッコへ向けて出国したことが明らかとなった。

ゲズィ公園運動の最中にタリムハーネ地区でデモ集団を丸包丁で襲撃し、その容疑で逮捕の決定が出された後に逃走していたS.Ç.被疑者がモロッコに家族を連れて逃亡していたことが明らかとなった。裁判所が身柄拘束の決定を下す前日に、妻の故郷であるモロッコへ逃亡したS.Ç.被疑者に関し、逮捕決定が国家司法ネットワーク(UYAP)のシステムにその翌日に反映されたことがわかった。

■襲撃の様子

本紙が入手した情報によると、タリムハーネ地区において丸包丁で(デモ隊を)襲撃した後に身柄を拘束されたものの釈放されたS.Ç.被疑者について、イスタンブル第1重罪裁判所は木曜日に逮捕の決定を下した。逮捕の決定が警察に届くとともに行われた捜索で、同被疑者が7月10日の午後に定期就航便でモロッコに逃亡したことが判明した。同被疑者はモロッコへ、モロッコ出身の妻と子どもを連れて逃亡したことがわかった。空港の搭乗記録を検証した結果、同被疑者が8月10日に単独でトルコに帰国するためのチケットを購入しており、家族の名前は搭乗記録には見当たらなかったという。

■襲撃者は自身を次のように弁護

この間に裁判所が下した逮捕の決定がUYAPシステムに入力されたが、それは昨日(12日)のことであったと伝えられている。裁判所の決定がUYAPに届いたのが決定の下された翌日であったこととは反対に、S.Ç.被疑者が8月10日に国外に出国することが判明した。

モロッコでOdaTV局のインタビューに答えた同被疑者は、「1週間、あるいは10日の間で戻るつもりだ」と答えたという。

■ギュレル内務相「われわれは関知していない」

ムアッメル・ギュレル内務相は、タクスィムのゲズィ公園運動の抗議集団に対して丸包丁で襲撃したサブリ・チェレビ被疑者が国外に逃亡したということを受けて、「あなたがたはそのようにおっしゃるが、われわれは関知していない」と(記者らに)答えた。チェレビ被疑者について逮捕の決定が出されたこと、並びに各地で捜索活動が行われたことを述べたギュレル内務相は、個人について逮捕の決定が出されていない段階で国外に出国するという状況で、「国外になぜ出国したのか、と問うことはできないでしょう」と話した。

国会のロビーで新聞記者らに会見したギュレル内務相は、「丸包丁を持って襲撃した人物がカサブランカに出国したと伝えられているが、それは事実でしょうか」という質問に対して以下のように答えた。「あなたがたはそうおっしゃいますが、出国に関してわれわれは何も関知していません。もちろん逮捕に関して警察は必要な任務を続行します。現在はわかっている住所等を捜索しています。」
チェレビ被疑者について逮捕の命令が出たことに注目したギュレル内務相は、「逮捕並びに逃亡を禁止する決定が出る前に、もちろんその人物が国外逃亡することはありえます。それは私もわかっています。逮捕の決定が出ている人物は、国外に出ることはできません」と述べた上で、さらに以下のように続けた。「しかし逮捕の決定がない状況で、なぜ国外に出たのかとは誰も問うことはできないでしょう、あなたがたも問えないでしょう。」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:30786 )