公益判別評議会元関係者「イラン核交渉チームの陣容は間違いなく変更されるだろう」
2013年07月06日付 Mardomsalari 紙
ISNAのインタビューに答えるイーザディー氏(http://isna.ir/fa/news/92041408369)
ハサン・ロウハーニー師の大統領選出後に、同師のシンクタンクに招聘された大学教授・専門家の一人であるジャハーンバフシュ・イーザディー氏は、イラン学生通信とのインタビューの中で、ハサン・ロウハーニー師の外交政策は〔イランの長期目標を記した〕「
イラン20年ビジョン」にもとづいた発展主義的なものであり、それにもとづいた破壊的な行動を自重する外交姿勢が注目されるとの見方を示した。国際関係論の専門家である同氏は、体制公益判別評議会事務局の政治・防衛・安全保障委員会に8年間在籍したことがある。
同氏はまた、「〔外交政策への〕新政権のアプローチは〔敵か味方かというような視点ではなく〕共通性を強調し、そうすることで、政治的問題や緊張を徐々に減らし、その上で〔イランの国際法上の〕権利の問題へと関与していく必要がある。もちろん、経済的な交流の拡大も、政治的・法的問題の処理に役立ちうる」と言明した。
イーザディー氏はシリア情勢にも言及し、「シリア問題はイランと近隣諸国の間の緊張を煽り、その結果深刻な対立が形作られてしまった」と語った。
〔‥‥〕
国際問題の専門家である同氏は、シリア問題で紛争が早い段階で収拾する可能性などないように見えるが、との質問に答えるなかで、「シリア問題はイランにとって、極めて重要な戦略的問題となっており、〔イランの国際社会における〕威厳・プライドに関係する側面を有するようになっている」と述べた。
同氏は核交渉については、次のように付け加えた。
ロウハーニー師は、交渉に入る時には、新たな制裁が加えられないようにすること、あるいは過去の制裁が緩和されることを目的として行われるべきだ、との信念を持っている。しかし過去数年の交渉では、話し合いの進展や問題解決への意欲があまり高くなかった。それゆえ、核交渉の場に新たな息吹を吹き込むことが大切なのである。もはや、時間稼ぎをしても、われわれにチャンスは訪れない。あるいはいくら歩み寄っても、西洋が提示する「アメ」はイランにとってもはや魅力的なものではないだろう。それゆえ、真剣に交渉を追求する必要があるのである。
大学の政治学部の学術委員を務める同氏は、さらに次のように指摘した。
核交渉チームのパフォーマンスの問題を分析する際に重要なのは、チームとしてのパフォーマンスの平均点である。どのチームにも、間違いなく強みと弱点とがある。しかし重要なのは、得点を増やし、弱点をなくすことである。同時に、新たなチームが自分たちについて世界に示すイメージも、今後の交渉の雰囲気に影響を与えるだろう。
イーザディー氏は、ロウハーニー師の核交渉チームはどのような構成になると思うかとの問いに対し、「交渉チームの陣容にはさまざまな変更があるであろうことが、十分予想される。ロウハーニー師が〔交渉の場に持ち込もうと〕意図している変化や、彼が思い描いている〔外交交渉に関する〕思想を進展させることのできるような人物を選ぶであろうことは、間違いない」と述べた。
イーザディー氏は、国民は選挙で穏健主義に票を投じたのであり、このことは次期政権が進むべき道を描き出すものであると述べ、「過半数の票」が示すメッセージをロウハーニー師が強調していることに触れた上で、「国民の過半数は、国際的な場における緊張の緩和を求めている。これは核問題だけに限らない。過去数年、
イギリス、
カナダ、
モロッコ、
セネガル、
ガンビアなど多くの国々と、イランは関係を断った。こうした流れを、国民は好ましいと考えてはいないのである」と指摘した。
同氏は、特にイラン大統領選挙後、アメリカは対イラン制裁の効果に確信を持つようになったとする分析が一部にあるが、との質問に答えるなかで、
われわれは制裁という名の現実を受け入れなければならない。国民も体制の責任者たちも、この問題を認めている。西洋諸国は制裁の効果について見極めるために、イランの選挙を待っていた、などというのは考えづらいことである。ロウハーニー師が述べているように、核のサイクルは市民生活のサイクルとともに回るべきである〔=核開発は豊かな市民生活の追求と矛盾するものであってはならない〕。これを実現するためには、核問題における自らの権利を追求しつつ、一部の急進的な態度を抑えることが必要だ。
と指摘した。
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( 翻訳者:8409020 )
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