国家諜報機構(MİT)が内務省、参謀司令本部などを含む諸機関に送った文書の中で、PKKが今後シリアにGSM(第2世代携帯電話規格)ネットワーク網建設のための取り組みに着手することが明らかとなった。国家諜報機構は、このためにPKK上層部がこの地域に技術者を派遣することが確認されたとした。
本紙が入手した情報によると、PKKの最新の動向を監視している国家諜報機構は、先日内務省や参謀司令本部をはじめとするテロ対策に携わる諸機関へ重要文書を送付した。
■当該地域へ技術者派遣
PKKは、シリアで内戦が始まったあとトルコ国境に程近いシリア北部地域に拠点を移し始め、この地域を支配下に置いた。そしてシリア内でのモバイル通信システムの利用に不都合が生じたため、PKKは専用のGSMシステム網建設のため動き出した。
トルコで稼働中の3つのGSMシステムとシリアのGSMシステム1つを十分に利用できないPKKは、メンバーによるシステム利用と[回線使用料徴収による]資金獲得の両方の目的から、この計画の実現を目指した。国家諜報機構の機密文書では、現在GSM関連の企業で働きかつPKKと接点のある技術者のこの地域への派遣が決まったことが明らかとなっている。
■400万ドル返済
国家諜報機構の文書によると、PKK上層部はこのGSMシステム網建設におよそ300~400万ドル費やす予定である。これにはSIMカード販売の収益やコントル[プリペイドカード]の販売収益も充てて、わずか1年で返済するだろうと記されている。
■兵站資材は中国から・・・
また諜報部は、重要な情報を入手した。PKKのイラクの都市アルビールの責任者で「戦争」というコードネームをもつオスマン・トパルオールが中国へ渡ったことが明らかになった。トパルオールの訪中の理由として、PKKの武装集団のトルコ国外撤退に際し必要な兵站資材を確保するためだと伝えられた。5月にアラブ首長国連邦のドバイから中国へ向かったとされるトパルオールは、その際50万ドルを持参したとされている。
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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:30837 )