昨日、イラン中央銀行のインターネット上のメインサイトから1ドル1226トマーンの「公定レート」が削除され、1ドル2477トマーンの「取引レート」が単一の為替レートとして発表された。これにより、公式の為替レートは2倍に上昇し、その影響は非公式市場にも及んだ。
本紙記者の取材によると、今年初め〔=2013年4月頃〕に国会で予算法案の審議が行われていた際、議員らは公定レートを予算の計算から削除し、その代わりに〔新たな〕単一為替レートを設けるとする条項を可決した。国会を通過したこの条項には、〔基準となる新たな〕為替レートの決定権者として、中央銀行が〔‥‥〕指名されていた。
にもかかわらず、過去1ヵ月間、中央銀行にこの法律を実行する余地はなかった。そして今週土曜日〔=7月6日〕になってついに、中央銀行のウェブサイトから「公定外貨」のレート表が削除されたことで、公定レートの支配の終焉が始まったのである。
およそ1年半にわたって、中央銀行が発表するレート表の一番上に、「公定外貨のレート」の名を掲げて居座っていた「1ドル1226トマーン」のレートは昨日、事実上その歴史に幕を閉じることとなった。そして今後は、単一為替レートとして「取引レート」のみが使われる予定である。このレートは毎日更新されるもので、昨日は1ドル2477トマーンと発表されている。
もちろん、「自由レート」の方も依然として非公式市場で流通している。ただし、これまでのところこのレートは公式の取引では受け入れられていない。このレートは昨日の市場では、1ドル3300トマーンと発表されており、公式レートの1ドル2477トマーンとは、823トマーンの差しかない。つまり、〔公定レートの廃止によって〕「公式相場」と「非公式相場」の差は大幅に縮小したのである。
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「公定外貨」廃止の自由市場に対する最初の影響としては、昨日、この情報がドル販売業者らの間を口から口へと駆け巡り、結果として金相場や為替相場が再び下落へと転じたことを挙げることができよう。これにより両替商は昨日、ドルを前の週の終わり値より50トマーン値下げして、1ドル3300トマーンで売り出した。先週木曜日、1ドルは3350トマーンだった。
イラン国内の金市場が再び下落へと転じ、また金貨も110万トマーン以下の価格帯へと落ち込むのに、これだけで十分だった(この下落はまた、国際的な金1オンスあたりの相場が再び下落したのと同時並行的に起きたものだった)。
この取材によると、フルサイズの「自由の春」金貨1枚当たりの価格は、昨日4万トマーン以上の値下がりして、109万2千トマーンの価格を付けた。また、1/2サイズのものは1万5千トマーン安の58万5千トマーンで取引された。
これに関して、外国為替問題の上級アナリストであるアリー・マアナヴィーラード氏は、「現在テヘラン市場におけるドルは、国際的な問題の影響のみを受けている。そのため、制裁が徐々に緩和されていく可能性について、国外から何らかの兆候があったことで、ドルは下落へと向かったのである」との見方を示している。
同氏は本紙記者とのインタビューの中で、中央銀行が下した先の決断は、一部の特定の者たちによる「
濡れ手で粟」の暴利横行を阻止するための、根本的措置だと評価する。今回の措置によって、「1ドル1226トマーン」のドルはもはや存在せず、今後は「取引レート」が国の公式為替レートになるということを、市場は確信するようになるだろうと、同氏は指摘する。
中央銀行外貨局の元局長である同氏によると、かつて「公定外貨」に対する需要は極めて高かったという。というのも、〔公定外貨を使って〕商品を輸入し、それを「自由外貨」〔のレートで計算し直して〕市場に売ることで、輸入業者は莫大な利益を得ることができたためだ。マアナヴィーラード氏によれば、こうした行為は1ドルを1226トマーンで買って、非公式市場で3300トマーン以上で売るのと、まったく同じことなのである。
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( 翻訳者:8412108 )
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