アラブ首長国連邦からのイラン人の追放措置への懸念、広がる
2013年07月07日付 Jam-e Jam 紙

 イラン人のアラブ首長国連邦(UAE)からの追放が、ここ数週間で激しさを増している。こうした中、国会の国家安全保障外交政策委員会の外交政策部会長は「同委員会は国会の休会明けに、イラン人がUAEから追放されている問題について検討する予定だ」と述べた。

 ヴァヒード・アフマディー部会長はイラン学生通信(ISNA)とのインタビューの中で、何の理由もなく在留イラン人を追放するUAEの最近のやり方に言及し、次のように述べた。

イラン人がUAEから追放されている問題は、恐らく、国家安全保障外交政策委員会の外交政策部会に、さらなる検討が付託されることになるだろう。付託後、同部会は各機関の責任者を交えつつ、〔UAEによって〕取られた措置について検討し、その後この問題を解決するための対応策を、報告書の形で〔国家安全保障外交政策〕委員会に提出することになろう。

 ISNAの報道によると、イラン人や、レバノン、イラク、インド、パキスタンといった国々を出身国とするシーア派信徒らをUAEから追放する計画は、2011年に始まった。そして過去2年間で、数千名のシーア派信徒が、法的根拠もなく、また犯罪を犯したという理由もなく、アブタビ首長国およびドバイ首長国から追放されている。彼らの国外追放の唯一にして真の理由は、彼らがシーア派であること、なのである。

 この報道によれば、ここ数ヵ月間で、25年以上の滞在経験のある在留イラン人数十名の在留資格が、何の理由もなく取り消され、同国から追放されたという。イラン人のUAEからの追放は、同国の治安省が個々人に電話で連絡し、パスポート持参の上、治安事務所のもとを訪れるよう求め、訪れた人たちからパスポートを差し押さえて、彼らの在留資格を取り消し、2週間ないし1ヶ月間の猶予を与えた上で、彼らをUAEから追放する、といった具合に行われている。

 ISNAは、25年以上の滞在経験のあるイラン人500名以上が、これまでにUAEから追放されたと報じている。

 しかしその一方で、イラン・UAE合同商工会議所の会頭は、同国は単に在留を制限しただけだと述べている。マスウード・ダーネシュマンド会頭はシーア派信徒がUAEから追放されているとの報道が流れていることについて、「同国は活動実態のない商社の追放を進めているだけだ。というのも、UAEの新たな法律によれば、活動実態のない商社が同国に留まることはできないからだ」と指摘する。

 ダーネシュマンド氏はまた、シーア派信徒であるという理由でイラン人が追放されていると言われていることについて、質問に答える形で「私は一シーア派のビジネスマンとして、この国で何の困難も経験したことはない。この国に住むシーア派信徒として、これまでに困難を感じたことのある人は誰一人いない」と明言した。

 ISNAの報道によると、昨年のUAEへのイランの輸出額は42億ドルであり、UAEからのイランの輸入額は106億ドルだった。

 今年の第一四半期〔※西暦2013年3月21日~6月21日〕におけるUAEからイランへの輸入額は、前年同時期比で34%減少し17億ドルで、輸出額もわずかに0.5%増加して8億8400万ドルであった。2008年に出された最新の統計によると、約20万人のイラン人がUAEに在留し、同国で活動するイラン系企業は約8000社にのぼるという。イラン人の投資額は3000億ドル相当に達していた。

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( 翻訳者:8412106 )
( 記事ID:30883 )