イランでも盗聴疑惑:モタッハリー議員の事務所で盗聴器が発見
2013年07月14日付 Mardomsalari 紙
アフマド・タヴァッコリー議員(左)とアリー・モタッハリー議員(右)
【政治部:クーロシュ・シャラフシャーヒー】自由はあらゆる人間の権利であり、人は憲法の枠組みの中で、監視下にあるという懸念なしに、自由に自らの生活を続けることができなければならない。もちろん、法はあらゆる市民にこうした権利を認めており、人々の〔個人的〕事情を詮索しようとする者に対しては、刑罰が用意されている。またわれわれはこれまで幾度となく、〔こうした詮索を理由に〕海外の政治関係者たちの行動を批判してきたし、ウォーターゲート事件のような出来事を理由に、西洋の政治状況に批判の目を向けてきた。
さて、こうしたことに関連し、テヘラン選出の国会議員であるアリー・モタッハリー氏は声明を発表し、何者かが国会の外にある自身の事務所に侵入し、各種盗聴器や盗撮カメラを仕掛けるなどして、自らの市民としての権利が侵害されたと訴えた。
モタッハリー氏は声明の中で、次のように述べている。
数日前に私に対して起きた驚くべき不正について、高貴なるイラン国民、親愛なる最高指導者、ならびに国民によって選ばれた大統領にお伝えしなければならない。92年4月18日〔2013年7月9日〕火曜日の朝、国会外にある私の事務所の関係者が事務所に入ったところ、同所の様子が変わっていることに気がついた。変わっていたのは特に、クーラー窓の箇所であった。
そこで窓を開けて調べたところ、クーラー・ホースの奥にさまざまな盗聴器ならびに盗撮カメラが巧妙に仕掛けられていたことを発見、さらにその後、クーラー・ホースの窓近くの壁にも、カメラが仕掛けられていたことを発見した。〔‥‥〕見たところ、これらの機器は外から持ち込まれたように思われる。
これらの機器から得られた映像には、これらを取り付けた人物2名の様子がはっきりと確認することができた。またこの2名以外にも、事務所に侵入した9名の姿もある程度明瞭に写っていた。
〔事務所のある〕ビルの6階に取り付けられたカメラの映像からは、これらの侵入者が侵入した時刻が0時18分で、立ち去ったのは朝4時頃だったことが分かった。先に述べた機器から手に入った映像からは、この間、事務所のその他の部屋でも何らかの作業をしていることが分かった。
さらにわれわれの調査によると、彼らはビルの管理人を脅して、侵入に立ち合わせていたこと、さらにその管理人によれば、91年エスファンド月〔2013年2/3月〕にも、彼らがビルに侵入していたことも分かった。
〔‥‥〕
モタッハリー氏はその上で、「市民の安全を守る責任を負った情報省は、可及的速やかに、今回の遺憾な出来事、つまり憲法に反し、ジャングルの掟に従ったかのような今回の違法行為について、十分な説明を行うべきである。侵入者が誰であるのかを明らかにし、彼らを罰すること、そしてこうした人権に反する行為を命じたのは誰なのかについても明らかにし、彼らを処罰することが必要だ」と強調した。
国会文化委員会の委員である同氏はまた、「体制はこのようにして守られるのであって、夜な夜な人々の事務所や自宅に盗人のように侵入して、盗聴器や盗撮カメラを仕掛けることで守られるのではない」と訴えた。
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同氏はさらに、「名の知られた国会議員に対してこのようなことが行われるような時に、果たして一般市民の権利に対してどのような不正がまかり通っているの、分かったものではない。それゆえ、今回の事件を簡単に見過ごすべきではなく、むしろ犯人らを見つけて処罰するまで捜査を行い、イスラーム共和国体制からこの手の汚れを一掃することが必要である」と強調している。
モタッハリー氏の訴えに対し、アフマド・タヴァッコリー氏も敏感に反応した。同氏はアリー・モタッハリー氏の事務所に盗聴器や盗撮カメラが密かに仕掛けられていたことについて、遺憾と驚愕の意を表明し、「国会は直ちに、情報相に対して今回の件に関する説明を求めるべきだ」と述べた。
同氏はメフル通信に、「アリー・モタッハリー議員の仕事場に盗聴器を仕掛けようとする不審な試みについて、いくつか考えてみるべき点がある。第一に、こうしたことは普通の個人には不可能であり、必ずや何らかの組織がウラにいるということである」と述べた。
テヘラン選出の国会議員であるタヴァッコリー氏はさらに、「二点目は、もしこうしたことが国の安全に責任を負っている機関によって行われたのであるならば、それは実に驚くべきことであり、遺憾なことだ、ということである」と続けた。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31015 )