ハーメネイー最高指導者「国の最優先課題は経済と科学の進歩」
2013年07月22日付 Jam-e Jam 紙
■ 「世界との関係では、敵のしてきたことを忘れてはならない」
■ 「アメリカは誠実でなく、信用に値しない」
■ 「1390年代〔=2011/12年からの10年間〕を進歩と公正の10年へと変えていくことが可能である」
■ 「人口抑制策は大きな危険を孕んでいる。
アーヤトッラー・ハーメネイー革命最高指導者は昨日午後、体制の責任者たちや幹部と面会する中で、行政上の責任が委譲されること〔=政権交代〕は、イマーム・ホメイニー閣下が各分野で目指した方向性を継続させるにあたって、喜ばしき機会を与えてくれるだろうと指摘し、国が直面してきた歴史的現実や現状について説明した上で、「経済問題と科学的進歩の継続こそ、すべての責任者が最優先で取り組むべきことである」と強調した。
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革命最高指導者は、国が置かれている状況を巨視的な観点から眺める中で、7つの事実に着目し、そのうちの3つとして、「すばらしい地理的位置」、「誇り高き歴史と古代から続く文明」、「天然資源とすばらしい人材」をまず指摘した。
その上でアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、4つめの事実について説明する中で、「イランはここ2〜3世紀の間、国内の専制・独裁政治と、外国の文化的・政治的浸透・侵略によって、手痛いダメージを受けてきた。状況の巨視的分析においては、いかなるものであれ、この点に注意を払う必要がある」と付け加えた。
同師は〔注目すべき7つの事実のうちの〕もう一つの事実として、立憲革命、石油国有化運動、そしてイスラーム革命という三つの局面で発現した国民・大衆の目覚めを挙げ、「立憲革命や石油国有化運動での国民的蜂起は失敗に終わった。しかし、イスラーム革命の勝利とイスラーム共和国の建国は、イランが外国の侵略から受けた打撃に対する、断固たる応答となった」と指摘した。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、国を巨視的観点から眺めるにあたって考慮に入れておくべき6番目の事実として、政治、経済、科学、および文化の各分野で、勝利に満ちた運動を成し遂げたことを挙げた。
同師はその上で、「・驚くべき科学の進歩、・地域の重要問題、そして必然的に世界の諸問題における〔イランの〕否定しようのない影響力、・国の建設における驚くべき進歩と、偶像崇拝時代〔=79年革命以前の王制時代〕に対する180度の文化的大転換、これらこそ、ここ30年間の勝利に満ちた運動の象徴と言えるだろう」と付け加えた。
革命指導者は宗教的人民主権と健全な人民主権〔の確立〕こそ、〔イスラーム共和国体制が成し遂げた〕国内政治上の最大の成功事例だとした上で、「行政権と立法権が、西洋で頻繁に見られるような欺瞞に満ちた手法によってではなく、健全かつ実際的に協力し合う姿は、イラン国民とイスラーム体制が世界に提供する、貴重で新たな〔政治〕モデルなのである」と述べた。
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■ 責任者たちは敵のしかめっ面にビクつくな
イスラーム革命指導者は、内なる力を構成する諸要素について説明する中で、国民と〔体制の〕責任者が確固たる意思を持ち、さまざまな困難や敵意に直面してもぐらつかないことが必要だと強調した上で、「責任者たちは政治や経済、プロパガンダの領域における敵のしかめっ面にビクつくようなことがあってはならない」と指摘した。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、国が現在直面している優先課題について、「幹部や政治関係者、そして全ての国の責任者たちは現状の中で、自らの注意と集中力を2つの最優先課題、すなわち経済問題と科学的進歩に向けておく必要がある」と強調した。
同師はさらに、「経済的偉業〔の達成〕は今年のスローガンの一部であった。政治的偉業が達成されたように、経済的偉業も責任者たちによる努力によって成し遂げられることを望む」と述べた。
※訳注:ハーメネイー最高指導者は年初の演説で、1年のスローガンを発表するのが恒例となっている。今年は「政治的偉業と経済的偉業の年」と命名されており、「政治的偉業」は「大統領選挙の盛大な実施」のことであるとして、それはすでに達成されたとの見方を示している。
イスラーム革命指導者はさらに、「もちろん、経済的偉業は短期間で達成されるものではない、しかし、取り組みを始めなければならない」と指摘した。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、もう1つの優先課題、つまり科学的進歩に関して「ここ10年間のイランの科学的進歩のスピードは素晴らしいものであった。これを遅くしてはならない。なぜなら、望ましいレベル、すなわち世界の知的最前線に達する為には、この速度を維持することが望ましいからだ」と付け加えた。
イスラーム革命最高指導者が自身の演説の最後の箇所で言及したもう一つのテーマが、世界との関係についてであった。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「我々はいつも世界との協調を信じてきたし、今もそうである。しかし世界との協調において重要なのは、相手を知ること、その目的とやり口を知ることである。なぜならば、もし相手を正しく理解しなければ、われわれはひどい仕打ちを受けるだろうからだ」と述べた。
同師はさらに、「世界との関係において、敵のしたことを忘れてはならない。たとえ国益上の判断から、敵に自らの感情を示さなくとも、である」と強調した。
イスラーム革命指導者は、イランとの交渉に向けたアメリカの最近の発言に触れ、「今年のはじめ〔=3月21日〕にも言ったように、私はアメリカとの交渉を楽観してはいない。ここ数年、イラク問題など特定の問題に関する交渉を禁止してはこなかったが」と述べた。
アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、「アメリカ政府は信用がおけない。彼らは合理的ではなく、彼らの対応も誠実ではない」と強調し、「ここ数ヵ月間のアメリカ政府関係者のスタンスも、彼らに対して楽観的な見方をする必要はないということを、再び確認させるものだった」と付け加えた。
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本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:5213003 )
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