エジプト:「このドラマは喜劇のような同胞団の統治への回答だ」
2013年08月07日付 al-Hayat 紙
■ワーキド:「このドラマは喜劇のような同胞団の統治への回答だ」
2013年8月7日『ハヤート』
【カイロ:ムハンマド・アラーッディーン】
エジプトの俳優であるアムル・ワーキドは「二人目の妻」というラマダーン月の連続ドラマに、質素なガラビーヤ(エジプトの伝統的な服)を着て口ひげを蓄えた素朴な農民の姿で登場した。この作品は、さまざまな反応を呼び起こしたが、それはとくにシュクリー・サルハーンとスアード・フスニーの演じた有名な映画作品から取られたものだからである。
この役を選んだ理由に関し、ワーキドは本紙に次のように語った。「監督のハイリー・ビシャーラとは、前に3度いっしょにやっている。それがこの作品に参加した主な理由だ。それと私がやったアブールアラーの複雑な人物像の難しさというのもある。この男は、抑圧の苦しみを味わい、すべての権利を失い、刑務所に入れられた後、暴君のような人間に変わっていく。出所後、村の村長になると、すべての人に対して横暴にふるまうようになるのである。
ワーキドはさらに次のように言った。「この人物は私にとっては大きな挑戦だった。しばらく前からこの人物についてよく研究したのだが、おそらく私自身が農村の出身だということが、こういう形で演じたことの背後にあるのだろう。私を彼と比較しようとする人がいるなかで、私が目指したのは、今は亡き大先輩のシュクリー・サルハーンを真似ることではない」
この作品が物議を醸していること、そして多くの批判があることについて、ワーキドは彼を狙い撃ちにした名誉棄損行為の一部だと見ている。とくに彼がナセルを筆頭とする歴代のエジプト大統領を批判するような意見を述べたあと、エジプト国籍をはく奪すべきだという声が上がっているのである。
また彼は、この作品は多くの視聴者の称賛を得ていると語り、さまざまなサイト、そしてフェイスブックやツイッター上の彼のアカウントで受け取る反応に対してうれしく思っていることを明らかにした。
今年のドラマの多くが宗教を道具とするような宗教的人物を扱う傾向であったことに関し「旅行していることが多く、自分の連続ドラマも含め、ドラマは見ていない。しかしこうした傾向は、ムスリム同胞団のやったことを考えれば当然の結果だろうと思う。それはつまり統治における喜劇のような試み、そして暴力や過激さという特徴を持つイスラム主義の潮流に肩入れする者たちの行動である。当然のことだ。良い芸術とは、現実を表現するための道具、世論に影響を与えるための手だてである。だからその役割は、彼らに反論し、彼らを止めることとなるのだ」。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:31104 )