ギャロップ社世論調査ー対立構造は、都市vs.農村部
2013年08月22日付 Radikal 紙


ギャロップ社がゲズィ公園抗議運動の最中に行った世論調査で、都市部と農村部で考えに隔たりが生じていることがわかった。

ギャロップ社がトルコで行った調査では、都市部と農村部の意識に徐々に隔たりが広がっていることが示された。今年5月~6月、人口10万人以上の都市に住む人々の43%が政府を信頼していると答えた一方、農村部では同回答が68%を占めた。調査はゲズィ公園抗議運動が起きた時期に、トルコ人がどのような変化を経験したかを反映する一方、社会の溝が都市部と農村部の間に生じていることが注目されている。ギャロップ社のジャン・ソネンシャイン研究員は、調査アンケートの大部分は、エルドアン首相がゲズィ公園のテント村を強制排除するよう指示した5月30日~31日以降に実施されたと述べ、この事件の前から都市部のトルコ人は国に対する不満や不信感を募らせていたという結果が出ていると話す。一方で、ソネンシャイン研究員によるとアンケートは「政府と軍部の高官たちの間にある疑惑と対立」を反映しているとされるエルゲネコン裁判の結果が明らかになる前に実施されたものだという。調査によると、公正発展党(AKP)が国内の総選挙で3度目の勝利をおさめた2011年には都市部も農村部も国のなんらかの組織に対する信頼を示していた。2012年になると、都市部における支持が下がり始め、政府や司法システムに対する信頼感に差異が生じるようになった。2013年には、都市と農村での意識の隔たりが明白になり、さらに都市部では軍に対する不満も見られるようになった。

■農村部は司法への信頼感が低い

トルコでは、都市部のほうが農村部に比べて司法への信頼感が高い。都市部の支持が66%に対して農村部は49%という数字で、過去最大の差異となった。

■都市部での軍への信頼感が低下

軍部への信頼度では、今回初めて農村部が都市部を上回った。これまで双方の数字は非常に近かったが、今回は農村部81%に対して都市部59%という結果であった。ソネンシャイン研究員は、軍の支持率が2008年から2012年にかけて急激に低下したことはエルゲネコン裁判の影響があると見る一方、2013年に農村部での支持が再び高まっていることに注目している。とはいえ、トルコで軍はいまだに68%の支持を得る組織であり、それを追いかける形で司法システムが56%、政府が54%という結果になっている。

■農村部と都市部の間に溝

ソネンシャイン研究員はアンケートの結果を、トルコにおける溝はイスラム系AKPと世俗主義を重んじる軍支持者ではなく、実際は、国の組織全体に不信感を募らせている大都市住民とこれらの組織への信頼を保ち続けている農村部住民との間にあるとまとめている。

一方、2008年は政府を信頼しない人の71%が軍を信頼すると回答したのに対し、2013年は同数字が48%にまで下がっている。この結果は、エルドアン首相を批判する人々からはもはや軍部もAKPのコントロール下にあると認識されていることを示していると言える。同様に、政府を信頼しないと言った人のうち司法システムを信頼すると回答した人の割合は、2008年は44%であったが2013年は18%にまで下落。これもまた、エルゲネコン裁判の開始以降、司法システムもエルドアン政権との関係が強まったことを示すと言える。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:31251 )