今度は中東工科大で「木を守れ」座り込みーアンカラ
2013年08月26日付 Hurriyet 紙


アンカラ広域市が道路工事のため中東工科大学(ODTÜ)構内の樹木を伐採しようとしていると主張する市民グループが、中東工科大学前で抗議運動を始めた。アンカラ広域市の担当者は、関係省庁によって開発計画が承認されれば2か月以内に中東工科大学に工事が入る予定であると語った。広域市は、中東工科大学の敷地内を通る予定の新しい道路のシミュレーションビデオを公開した。

広域市は約4か月前、首都西部の交通渋滞を緩和する目的でアナドル大通りをコンヤ道へ接続する新しい道路の敷設工事を始めた。市民グループは、広域市が何千本もの樹木を伐採しようとしていると主張し、中東工科大学の前で抗議運動をすることを決めた。

中東工科大学の学生と周辺地域の住民は、次のように主張している。
「ここに高架橋が架かると、チーデム地区とチュクランバル間のアクセスが断たれる。工事開始後、この地域には大きなショッピングモールが建設されはじめた。地域住民の生活エリアを制限するこの新しい道路は、この地域に不労所得をもたらすだろう。この道路は交通のためではない、不労所得(を得るための)道路だ。」
市民グループは、道路が通る土地に生育している樹木を数えたところ、(工事によって)約7,360本の樹木が伐採されるだろうとし、「このプロジェクトはアンカラの肺に突き刺さるナイフのようだ」と批判した。
1993年に道路敷設のため約11ヘクタールの土地を道路総局へ手放した中東工科大学は、今年も環境都市整備省と広域市との協約にサインした。中東工科大学学長のアフメト・アジャル氏は次のように述べた。

■ここは低木地帯

「道路のルートの半分近くが中東工科大学の敷地内を通っている。約6か月間続いた交差点・ルート調査には、中東工科大学の都市・地域計画学科と建築工学科から教員8名も参加した。中東工科大学としての我々の目標は、この街の交通の需要に応え、かつ自然環境への負荷を最小限に留められる解決策を磨き上げることであった。改善後の提案は、中東工科大学執行委員会によって検討され、適切な解決策が承認された。伐採される予定の樹木の数は分からないが、この地域に道路が作られることは以前から知られており、我々は80年代から現在に至るまでここに木を植えていない。自然に生育した木々を除けば、ここは低木地帯である。」

■2か月以内に中東工科大学へ入る

広域市関係者は、この地域を通る道路はアナドル大通りの「自然な延長」であると強調し、「中東工科大学は、道路計画を関係省庁へ送った。そこで開発計画が承認されれば、2か月以内に中東工科大学へ工事が入る」と述べた。

広域市関係者は、チュクランバルと100周年地区を通る4キロメートルの道のうち約2キロメートルは、A1ゲートから入り中東工科大学の境界線を沿う形で敷かれるとし、次のように述べた。
「この道路は、首都西部の交通渋滞を緩和するだろう。大部分が低木地帯であるこの地域には250~300本の樹木がある。これらを中東工科大学の希望する場所もしくは市内の需要がある場所へ移植することもできる。誰も我々に対し、緑を奪っていると非難することはできない。我々が着任したとき首都には一人当たりの緑地が2平方メートルであったが、現在はこれが9平方メートルに増えている。共和人民党(CHP)の一部の国会議員が抗議運動の先頭に立っている。この道路の最初の計画は、ムラト・カラヤルチュン(*訳注)の時代に立てられた。つまり彼らは、自分の身内の中で方をつけるべきなのだ。」

■シミュレーションビデオを公開

アンカラ広域市は中東工科大学を通る予定の、アナドル大通りをコンヤ道路へ接続する新しい道路のアニメーションビデオを公開した。この動画では、道路敷設後の様子をアニメーションの形で見ることができる。

以下がそのビデオのURLである。
Hürriyet TV ''ODTÜ YOLU'NUN ANİMASYONU''
http://webtv.hurriyet.com.tr/2/53961/0/1/odtu-yolu-icin-animasyon-hazirladilar.aspx


(*訳注)ムラト・カラヤルチュン:1989年に社会民主人民主義党(Sosyaldemokrat Halkçı Parti)からアンカラ広域市長選に出馬し当選、1993年までの任期を務めた。同党が1995年に共和人民党(CHP)に合流するまでの間、党首や副首相、外相を務めた。その後、2002年に社会民主人民党(Sosyaldemokrat Halkçı Parti)を立ち上げ2008年まで党首を務めた。
1999年や2009年には共和人民党(CHP)から再びアンカラ広域市長選に出馬し落選している。
参考:ウィキペディアトルコ語版(http://tr.wikipedia.org/wiki/Murat_Karayal%C3%A7%C4%B1n)

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:31273 )