世界の諸政府・諸国民がシリアへの軍事攻撃に強く反対しているにもかかわらず、ホワイトハウスはアサド政権に対する力の行使に、いまだにこだわり続けている一方で、地域において戦争の火の粉が煽られるのを阻止するための世界の指導者らの努力が、依然として続けられている。こうした中、ロシアのウラジミル・プーチン大統領はイランのハサン・ロウハーニー大統領との電話会談のなかで、西洋諸国による対シリア軍事攻撃の阻止に向けて、ロシアがイランと共通の立場を有していることを強調した。
政府広報サイトが伝えたところによると、イラン・ロシア両国の首脳は水曜日〔8月28日〕の夜、電話会談の中で、力に訴えて、非合法的かつ正当性を欠いた軍事行動を他国に対して行使することは、国際的なルールに対する明らかな違反だとの見方を示し、シリアに対して軍事攻撃が行われ、同国の国民に害が及ぶのを阻止するために、あらゆる努力・アプローチを活用することが必要だと強調した。
イランのロウハーニー大統領はこの電話会談のなかで、地域の重要問題をめぐってイランとロシアは多くの点で意見を共有していると指摘した上で、「さまざまな分野、特にシリア問題に関して、両国が話し合いと協力を拡大させることに、イランは関心を抱いている」と述べた。
ロウハーニー大統領はロシアがシリア問題について原則的な立場を堅持していることに感謝の意を示した上で、「こうした立場はシリアと中東地域全体に平和を確立することに寄与するだろう」と続けた。
■ 「イランは化学兵器の使用を非難する」
大統領はまた、イラン・イスラーム共和国にとって、化学兵器の使用は、それがどこで誰によって使われようと、強く非難されるべき行為だとした上で、「もし事の本質が明らかになる前に時期尚早な判断が下されるならば、それは危険なことになり得る」と付け加えた。
ロウハーニー師は西洋諸国がシリアに対して軍事的アクションをとる可能性があるとの報道に懸念を表明し、「シリアはデリケートかつ戦略的な位置を〔中東で〕有しており、同国に対するいかなる軍事的侵略も、中東地域全体の不安定化につながる」と明言した。
大統領はまた、対シリア軍事攻撃を阻止するべく努力しなければならないと強調した上で、「シリアに対する軍事攻撃は、間違いなく平和を愛する国々が追い求めてきた成果を危険に晒すものとなる」と述べた。
■ 「シリア政府の勝利が西洋の口実探しの主な原因」
ハサン・ロウハーニー大統領はさらに、「シリア政府が〔反体制勢力との〕戦闘の中で勝利を手に入れたがために、今後の話し合いの中でシリア政府を弱い立場に追い込むための口実として、西洋諸国は最近の出来事を利用したのである」と述べた。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31338 )