軍統合参謀長「アメリカはアル・カーイダのためにシリアで戦争を起こそうとしている」
2013年08月31日付 Jam-e Jam 紙
軍統合参謀長は現在のシリア情勢、ならびに同国へのありうべき軍事攻撃に対するアメリカの域内・域外のパートナーたちの協力姿勢の変化について言及し、「9.11以降、《アル・カーイダとの闘い》という大いなる嘘によって地域諸国を軍事的に侵略してきたアメリカは、今やアル・カーイダのためにシリアで闘いを起こそうとしているのだ」と述べた。
セイエド・ハサン・フィールーズアーバーディー少将はまた、「アメリカによる対シリア攻撃論は、あらゆる点で、その他の国々に大いなる困難をもたらす可能性がある」と指摘した上で、「この不正なる戦争を支持する地域諸国は、深刻な損害に直面するだろう」と語った。
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■ シリアへの攻撃は33日戦争と酷似
他方、ラーリージャーニー国会議長は「アメリカがここ数日のうちに対シリア軍事オペレーションへの態勢を整えることができるとは思えない。彼らは数ヵ月前からその準備をしてきたのだ。彼らのこうした行動は、33日戦争〔※2006年7月に起きたイスラエルによる対レバノン侵攻のこと〕のように、前もって計画されたものなのである」と述べた。
メフル通信の報道によると、アリー・ラーリージャーニー氏は木曜日の夕方、ゴム州のメディア関係者との会合の中で、シリア情勢について触れ、「シリアに対するアメリカの対応には興味深いものがある。彼らは《われわれは技術的証拠から、シリア政府が化学兵器を使用したことを突き止めた。それゆえ、対シリア攻撃で国連の許可は必要ない》などと言っている。こうした発言は、彼らが国際警察を自任していることを示している」と指摘した。
■ イラン国会議員団、シリアに向けて出立
地域の不安定化を阻止するための努力の一環として、国会の国家安全保障外交政策委員会の副委員長は、土曜日〔8月31日〕の朝にも、同委員会の委員らからなる議員団が最新の地域情勢を調査するためにシリア及びレバノンに向けて出立する予定であると発表した。
マンスール・ハギーガトプール氏はファールス通信とのインタビューの中で、アラーオッディーン・ボルージェルディー国家安全保障外交政策委員会委員長を団長とする議員団がシリアとレバノンの二ヵ国を訪問する予定だと述べた上で、さらに「アメリカによるありうべき対シリア攻撃について、国家安全保障外交政策委員会の来週の会議で、関係当局を交えて検討が行われることになっている」と付け加えた。
■ 対シリア攻撃はアメリカにとって高くつくだろう
地域における緊張阻止の必要性を訴える政府当局の公式的な立場とは別に、一部の著名人や市民団体も、戦争の火の粉が煽られている現在の状態がもたらす悪影響について警告を発している。
マルジャエ・タグリード〔※シーア派宗教最高権威〕の一人であるアーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーは、アメリカを筆頭とする西洋諸国はイスラーム諸国の破壊を目論んでいると指摘した上で、「シリアをはじめとするイスラーム社会に対する攻撃は、アメリカにとって高くつくことになろう」と指摘した。
■ アメリカは今にも切れそうなイスラエルの糸に導かれて、泥沼に足を踏み入れている
また昨日テヘラン臨時金曜礼拝導師を務めたサディーギー師も、シリア問題について触れ、「アメリカは今、化学兵器の存在を口実に、シリアを攻撃しようと考えている。もちろん、彼らが曖昧な理由からアフガニスタンに派兵し、また同じく化学兵器があるという理由でイラクを攻撃したことを、全員が依然として記憶していることと思う」と述べた。
アーヤトッラー・カーゼム・サディーギーはさらに、「実に卑しむべきことに、アメリカ政府は今にも切れそうなイスラエルの糸に導かれるようにして、泥沼にはまり込んでしまっている。彼らがそこに入るのは彼ら自身の意思によってだが、しかしそこから抜け出すことは彼らの意思では不可能だ」と付け加えた。
さらに「テヘラン6大学学生バスィージ」も声明を発表し、アメリカが威嚇的な態度で対シリア攻撃に言及していることを非難し、こうした言動は〔世界の〕諸国民のアメリカに対する憎悪を増すだけであり、それがもたらす結果は予想もつかないものとなるだろうと強調した。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31340 )