ハサン・ロウハーニー大統領の国連総会出席の有無をめぐっては、さまざまな憶測が流れたが、ついに昨日ザリーフ外相の口から、ロウハーニー師が大統領として初めてニューヨークを訪問することが確定したことが発表された。同外相によると、国連総会で演説を行い、非同盟運動の議長として核兵器廃絶を訴えることや、海外在住のイラン人指導者たちと面会すること、非同盟運動に加わっている国々の外相らと会談を行うことなどを予定しているという。
イラン国営通信の報道によると、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相は昨日の閣議終了後、記者団に対し、現在大統領の訪問に向けたスケジュールを組み立てていると指摘した上で、「その他の会談やメディアとの会見などの予定を組んでいるところだ」と語った。
国連のスケジュールによれば、ロウハーニー師はメフル月3日〔9月25日〕の前半に、国連総会で演説をする予定とのことだ。
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ザリーフ外相はまた、オバマ米大統領が対シリア攻撃に向けて米議会から承認を取り付けると述べたことについて、質問に答える形で、「米議会には国際社会に代わって決定を下す権限などない〔‥‥〕」と述べ、さらに〔‥‥〕「われわれがいつも述べてきたように、我が地域での軍事行動は、いかなるものであれ、国際法の原則に反しており、また国連の枠組みから外れたものである。それに加えて、地域に望ましくない結果をもたらすものでもある」と指摘した。
同外相は、攻撃を開始した者がその結果をすべてコントロールすることは間違いなく不可能であると強調した上で、「これは地域の状況に対するわれわれの分析であり、それについてはわれわれが明確に指摘してきたことだ」と続けた。
外相はまた、「オバマ氏は戦争反対のアジェンダを掲げてホワイトハウス入りし、彼は少なくとも公には、アメリカが起こした戦争を終わらせようと常に努力してきた。それゆえ、彼には新たな戦争に突入したいという気はあまりないのではないかと、われわれは想像している」と述べ、さらに「われわれの地域にいる一部のグループや、アメリカ国内の急進派が、オバマ氏と地域全体に対して罠を広げているように思われる。理性は、こうした罠にかからぬよう命じている」と続けた。
■ アメリカによる対シリア攻撃は地域の不安定化を促す
国防軍需相も閣議の傍らで、〔記者団を前に〕アメリカによる対シリア軍事行動は、それがいかなるものであれ、地域の危機と不安定化をより一層促すものとなるだろうと警告した。
ホセイン・デフガーン准将は、地域におけるアメリカのプレゼンスはシリア国境を越えた危機の拡大をもたらす要因となるとした上で、「アメリカによる対シリア軍事行動は、不安定性のレベルを高め、危機を同国の国境の外へと拡大させてしまうだろう」と付け加えた。
デフガーン国防相は、シリアに対して戦争が起きた場合、イランは特殊な装備を同国に提供するつもりはあるのかとの質問に対し、「われわれが何らかの装備を提供したいと思っても、シリアにはその必要はないだろう。同国には十分な規模の防衛・戦闘システムがあるからだ」と答えた。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31370 )