G20出席のエルドアン首相、シリア問題で記者会見
2013年09月06日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相はロシアのサンクトペテルブルグで開かれたG20サミットについて記者会見を行った。エルドアン首相はG20では経済についてだけでなく、シリア情勢も議題に上ったと強調し、「次のような疑問が浮かぶ。『アサドが去ればどうなるか。』ずっと良くなるだろ う。現在の体制より悪くなることはないはずだ」と述べた。

エルドアン首相はサミットの重要議題はシリア問題だったと強調し、次のように語った。

「私たちは国としてG20の議論を非常に重視している。今年のサミットで初めて成長についての議題を扱った。強力でバランスのとれた成長のためにG20の国々の計画を受け入れた。G20の全ての国が成長の可能性を高めるような提案を議論した。

我が国は2頭体制を敷いている。トルコは解決策を生み出そうと努める重要な立場にある。

金融規制についても議論した。これは金融調整機関によって行われている。論点が明らかになり、各国の必要性を考慮すべきだという決断に至った。

今年も発展が重要議題となった。私は格付け機関への機能的な依存を低減すべきだと意見した。また、地域間の貿易協定が透明な形で構築されるよう要請した。

■真の議題はシリアだった

様々なリーダーと会談した。会談では地域の問題について議論した。

シリアとエジプトが議題に上った。しかし特にシリアについて議論した。首脳の大部分がシリアの事態についてコメントした。

シリアの人々に対する虐殺は全ての首脳が注視している。ダマスカスへの軍事介入の必要性が検討されている。私たちは一部の国々が行動を起こす際には支持すると宣言した。私がした話は次の通りだ。

照準にずれが生じている。化学兵器[使用]の一方、何千人もの人々の殺害が忘れられている。化学兵器は明らかに罪である。他方で殺された人たちがおり、この行為の実行者は罪を犯していないだろうか。7百万人の人間を移住に追い込んだ人たちは罪を犯していないと言えるだろうか。

8月21日の夜22時30分…。1700人ほどの子供や男女が化学兵器によって殺された。しかし、これを誰が行ったかについては曖昧になろうといてい る。私たちは手元にある資料を見ている。全ての真実が明らかであるのに、これを見て見ぬふりする人たちは歴史に対して責任を取らなければならない。

■2頭のアザラシに騒いだ人たち・・・

2頭のアザラシが殺されたとして騒ぎたて、10万人もの人々が殺されたときに黙っている人たちの人間性を疑う。

次のような疑問が浮かぶ。『アサドが去ればどうなるか。』ずっと良くなるだろう。現在の体制より悪くなることはないはずだ。

私たちにはシリアの人々に対して人としての責任がある。シリアに対する軍事行動を支持するのは決して戦争をしたいということではない。

私たちには人として、隣人に対して、責任がある。身の回りの品物を持ってこの国に避難してくる人たちがいるのだ。

■最初に被害が及ぶのは私たち

隣で火事が起きた。最初に被害が及ぶのは私たちだ。だからこそその火を消さなければならない。

相手を見て立場を決める。私たちはそんなことはできない。

民主主義者行動党(MHP)がシリア問題において共和人民党(CHP)と同じ立場をとり、同じ対応をとっている点は、MHPに投票した国民が考え直さなければならない問題である。

■イスタンブルはオリンピックの候補地

私たちはここからアルゼンチンへ向かう。オリンピックについて良い知らせを持って帰国できることを望んでいる。

質疑応答

・選挙に関して何か変更はありますか。ドル高はどのように影響しますか。難民の対応に関してトルコ以外に貢献する国はありますか。

FED(連邦準備制度)に関する話は議題に上らなかった。世界銀行のプレゼンが行われた。より注意深く見守る、よりオープンなものだった。トルコには50万人の難民がいる。門戸開放の方針でこのプロセスを続けている。現在までに支出は20億ドルに至った。一部の国は自発的に援助した。一部の国は「私たちは 何をすべきか」と聞いてくることもある。私は、インフラはあり、今はテント村を作っていると言っている。全て私たちが行っている。あなたたちはそれを見てそれに応じて作業をしてください。私はトルコのためにこれをやりなさいあれをやりなさいとは言えない。10万ドルを送る人たちは好きなように送ればいい。トルコにはそれにも勝る力がある。

■シリアへの軍事行動の準備

現在まだ共同軍事行動の決定はない。ロシアが引っかかっているのは、[証拠]資料と化学兵器が誰によって使われたかだ。とりわけ、シリアの人々は過激派を支持しない、この点において保守的である、とわかっている。

・シリアに関してより悲観的立場をとろうとしているのですか。

G20は経済の首脳会議である。シリア問題は望むとも望まなくともこのような時期に議題に上ることとなった。この問題は重点的に話し合われた。そしていくつかの取り組みが行われた。それに応じてこの決定を下すということではない。私たちは使節団にこの取り組みを迅速に行わせた。彼らはこれに関する情報を正しいとして判断を下せないと言った。[行動の実施を]希望があるかないかで分けるといった点で議論するのは誤りだ

現在シリア内の反体制派勢力が期待しているのは世界の支持である。オバマ氏の[介入承認への]取り組みは彼の問題である。これはまだ続いている。最終的な決断には至っていない。これに関して前向きに努力している。ここで歴史を振り返るなどというのは正しくない。

■プーチンは反体制派がやったと言っている

オバマ大統領はこの件に関して、特にプーチン大統領が化学兵器や、化学兵器が使用されたかどうかを確認すべきとしていることには全て同意している。プーチ ン大統領はこれを反体制派が行ったことだと言っている。これをアサド大統領がやったとは認めていない。報告書は重要である。これらの報告書が来るのを待とう。その後の判断は全く別の前提に立っているかもしれない。

■オバマ大統領との会談

会談で私はコソボのプロセスが78日間であったと述べた。しかしここでも60+30というような考えが提案された。もちろん現況が明日も続くとは限らない。アメリカでの議論によって行動が起こされるのだろうか。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:31379 )