カッパドキア日本人殺傷事件の容疑者に犯罪歴
2013年09月10日付 Hurriyet 紙

訳注:この記事は2013年9月10日の報道である。ここで容疑者とされている人物(M.V.D)は後に容疑が晴れ、9月13日に釈放された。

ネヴシェヒルのギョレメで日本人観光客2名が刃物で切りつけられた事件に関して身柄を拘束されたM.V.D容疑者には、過去に性的いやがらせや麻薬使用の犯罪歴があることが明らかになった。

県軍警察総司令部では、ウルギュプで逮捕され、身柄を拘束されたM.V.D容疑者(27歳)に対する聴取が続いている。ネヴシェヒル国立病院で治療を受けている日本人旅行者Tさんは、容疑者の写真を見て見覚えがあると認識した。このM.V.D 容疑者には、性的いやがらせや麻薬使用の犯罪歴があることが明らかになった。

ネヴシェヒル県ギョレメのゼミ渓谷で観光をしていた日本人旅行者栗原舞さんとTさんは、昨日の午後何者かに刃物で切りつけられ、栗原さんは命を落とし、Tさんは負傷した。

■商店の反応

ギョレメで日本人観光客2名が刃物で襲われた後、町の商店は悲しみの気持ちを表すために店先や車両に日本とトルコの国旗を掲げた。取材のためギョレメを訪れた日本人記者らはトルコ人ガイドを伴って渓谷の事件現場を撮影し、商店でインタビューを行なっている。

■日本人旅行者は、自転車をレンタルした

ネヴシェヒル県ギョレメで刃物による襲撃を受けた日本人女性旅行者2名が、観光のために自転車を借りたことが明らかになった。

レンタル会社の共同経営者の一人、タジハン・オズデミル氏は次のように語った。
「彼女たちは昨日10時15分頃に来店して自転車を借りていきました。私たちはギョレメの市民として嘆き悲しんでいます。こんなことをするのは人間ではありません。ギョレメの人間ではありません。とても悲しいです。我々は日本のことを、最も近しい友人だと思っていました。2人はとても陽気で楽しい若者でした。私たちと冗談を言い合いました。この辺りを見て回りたいと言っていました。ローズバレーに行くつもりだとも言っていました。おそらくまずローズバレーを見てから、事件の起きたゼミ渓谷に向かったのでしょう。」

■「日本人はトルコの人間のことを分かっている」

カッパドキアを訪れる日本人観光客のガイドをしているジャネル・ギュレルリエル氏は次のように語った。

「15年間日本人観光客にトルコを紹介してきました。(この事件は)我々がこの国のために積み重ねてきた努力を、紙のようにぐしゃぐしゃにしてゴミ箱に投げ捨てています。必要な措置がとってもらいたい。とても悲しいです。観光客が来る場所では緊張が走っています。観光業従事者はみな針の筵に座らされた思いです。困っています。必要な処置がなされることを願っています。しかしここに来ている日本人観光客は、この事件のせいで神経質になってはいません。我々皆がこんなことをする人間ではないことを日本の人はわかってくれています。空港で迎えた瞬間から、我々がどのように振舞い、彼らのために何をしてきたか理解しているのです。この事件を起こしたのが普通の人間ではないということを分かってくれているのです。」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:31408 )