麻薬対策に、地雷の罠
2013年09月18日付 Zaman 紙


警察総局は、テロ組織PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)・KCK(クルディスタン社会連合)の最大の資金源である麻薬に関する驚きのレポートを発表した。それによれば、最近ディヤルバクルおよびビンギョル地域における麻薬畑が倍増し1万ドニュムとなったという。一掃作戦の対策として、麻薬畑は殺傷能力の高い地雷で守られている。

警察総局は、テロ組織PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)・KCK(クルディスタン社会連合)の最大の資金源である麻薬ビジネスに関する包括的レポートを発表した。それによれば、テロ組織は最近ディヤルバクルおよびビンギョル地域を始めとする様々な場所で麻薬畑を倍増させたという。以前は約5千ドニュム(1ドニュム=920㎡)だった麻薬畑は、1万ドニュムに拡大した。トラクターやトラックのような車両が進入できない麻薬栽培地を対象とする計画が想定される一掃作戦対策として、畑周辺には殺傷能力の高い地雷が埋められた。険しい岩の多い地帯では兵士が監視を行い、予想される制圧作戦では撹乱射撃を行うと述べられた。治安部隊は、被害を避けるため作戦に前向きではないとの見方を示している。50人1グループで麻薬畑を守るテロ組織は、ディヤルバクル県リジェ地域担当の「レベル」というコードネームをもつメフメト・シャフ・ユルデニズに麻薬の栽培・輸送任務を命じた。地域責任者の監視の下行われる収穫後、麻薬はオーク森林に厳重に隠され、その後関連地点へ輸送される。当該地域での麻薬1キロあたりの末端価格は70リラだが、イスタンブルでは2000リラにまで上昇する。

治安部隊は、テロ組織最大の資金源である麻薬への効果的な対策を講じ続けている。この対策ではまず、テロ組織下にある麻薬畑一掃作戦が特定の周期で計画されている。押収された麻薬は特定の場所で処分される。しかし行われる作戦に反しPKKは、麻薬畑の拡大を続けている。これに関し、全ての関連部署へ送付された警察総局による「ナルコ・テロ」レポートにおいては、テロ組織が麻薬畑から得る資金が明らかにされている。レポートによれば、PKKの 最重要麻薬栽培地はディヤルバクルおよびビンギョル地域にある。リジェ郡、ハズロ郡、クルプ郡、コジャキョイ郡、ハニ郡、スィルヴァン郡、チェムリキ郡、 エイル郡およびゲンチ郡の数十の村に、テロ組織下にある麻薬畑があると言われる。(麻薬栽培に)最も好まれる栽培地にはトラクターやトラックといった車両は進入できない。このレポートには麻薬畑が約1万ドニュムであると記されているが、解決プロセス以前ではそれは5千ドニュムであったという。

レポートでは、麻薬畑を対象として計画されている治安部隊による一掃作戦の対策として、PKKの戦略転換が明らかにされている。麻薬畑周辺に地雷が埋められたとの情報が記されている。そのため麻薬畑一掃作戦において、死傷者が出ないよう地雷対策が行われ、当該地域を熟知する者との接触を行うことが求められた。調査では、テロ組織が50人1グループで畑を守っているとも言及されている。彼らの任務は麻薬畑の安全を保ち、かつ麻薬栽培を行う村人を監視することだという。栽培者が麻薬収穫後にテロ組織のリーダーを知らせたこと、リジェ郡担当の「レベル」というコードネームをもつメフメト・シャフ・ユルデニズというテロリストが許可を出した後、麻薬の輸送が行われたことがわかっている。

■麻薬はオーク森林に隠されている

警察総局のレポートでは、麻薬がどのように入手されるかということに関する重要な情報が記されている。それによれば、収穫時期が来ると当該地域の責任者たちに連絡が入る。地域責任者の監視の下収穫が行われる。麻薬はオーク森林に隠される。輸送に関する合意の後、麻薬はPKKメンバーの監視の下関連地点へ輸送される。テロ組織が提示した麻薬の末端最高価格は70リラである。麻薬畑の拡大とともに価格は50リラに下がった。しかし当該地域における価格下落に反し、イスタンブル、アンカラ、イズミルといった都市では価格は1500リラから2000リラの間で変動している。ある情報筋は、麻薬畑拡大には、対テロ作戦が行われていないことが影響していると述べており、PKKはこのことを最良の形で評価したと強調されている。多くの場所で活動を活発化させているテロ組織は、特殊な麻薬栽培グループまでも組織している。

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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:31472 )