世界で最も長い海岸のひとつに数えられている、ハタイ県サマンダー郡の14キロメートルの砂浜が、シリアが海に捨てた廃棄物によりゴミ捨て場と化した。
シリアの街、ラズキイェの海岸から遺棄された廃棄物が、流れの速い海流に乗って、サマンダーにある海岸に流れ着いている。これらのゴミに、オロンテス川や公海の船によって廃棄されたゴミが加わって、サマンダーの砂浜ではゴミ捨て場が姿を現している。
絶滅の危機に瀕しているアカウミガメやアオウミガメなどのウミガメの繁殖地である砂浜が、ビニール袋やペットボトル、紙おむつ、靴、サンダル、タイヤであふれている。サマンダー地区やNGOが行う活動で時折清掃されていた海岸だが、シリアのゴミが継続して押し寄せたため、すぐに再びゴミ捨て場の姿に逆戻りしている。
アカウミガメやアオウミガメといったウミガメは繁殖期に卵を産むためにこの海岸を訪れるが、これらのゴミにより砂浜から出るのでさえ困難になっている。母ウミガメがゴミの間をかきわけて作った巣で卵からかえったひなは、やはりゴミが原因で海にたどり着く前に怪我をする。一部のウミガメは水中の透明なビニール袋を、重要な栄養源の一つであるクラゲと勘違いして口にし、溺死してしまう。
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( 翻訳者:小川まどか )
( 記事ID:31500 )