アルビール、29日の爆発による被害(AP)
■アルビールは自爆攻撃を恐れ、安定維持に尽力
【アルビール:バースィム・フランスィース;バグダード:ナスィール・ハスーン】
イラクのクルディスタン地域では、治安侵害が繰り返された場合、外国投資獲得のために20年間続けられてきた努力を脅かす結果になるとして、関係者たちが警戒している。一方で、クルド人の専門家と高官たちは、アルビールで起きた先の攻撃が自治区における投資機会と外国企業の存在に及ぼす影響は少ないとみなした。先月29日、アルビールで治安当局本部を狙った自動車爆弾による自爆攻撃が発生し、数十人の死傷者が出た。このところ平穏で安定していた同地で、この種のテロ事件が起きるのは6年ぶりである。
「クルディスタン連合」の幹部であり、イラク国会議員であるナジーバ・ナジーブ氏は本紙に対し、地域経済、特に海外からの投資へのこのような攻撃の悪影響を否定しなかった。また「安定の結果として、過去6年で海外の投資の規模に莫大(ばくだい)な増加が見られ、アラブのイラク人でさえ地域への投資を好んでいる」と述べた。
同氏は「地域で起こったことは、イラクで起こっていることとは違う。つまり、これはたった1つの治安の侵害であって、私たちは地域の治安が完全な形で統制されることを願っている。しかし、別の治安の侵害が発生した場合は、外国企業は寄り付かなくなるかもしれないし、そうなると莫大な損害が生じるだろう」と述べた。また「地域経済は基本的には地元以上に海外の投資に依存しており、トルコとイランがそのトップの地位を占めているが、最近では国内と海外の合同資本による投資もみられるようになった」と述べた。
クルド系イギリス人のビジネスマンであり、アルビールに大規模な投資をしているシェルコ・アベド氏は「どの投資家も第一に安定性を検討する。アルビールで最近起きたことは、イギリスやアメリカ、多くのヨーロッパの国のようなより大きな国でも起こったことがあるが、私たちは(同様の治安)侵害がもう一度起きることを懸念している。それは地域での投資の進出規模、正確には湾岸諸国による投資規模に、マイナスの影響を与えうるからだ」と述べた。
同氏は「過去2年間で投資の割合は40%増加し、そのほとんどは湾岸諸国からで、厳密に言うと、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールである」と述べ「クルド市民はより良い形で全形態の投資に対応し始めた。いまだに資本を探している有望な市場の存在に加えて、多くの特権を与えることでアラブと外国の投資家の奨励を始めた、地域政府の政策のおかげである」と続けた。
(後略)
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( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:31614 )