学校のクルド語の選択授業のため、赴任を心待ちにしていたクルド語教師たちの任地が決まっていない。授業には教師がおらず、(クルド語教育法を学んだ)卒業生たちは被害者となった。
クルド語は昨年国民教育省によって、「生存言語・方言」と題してカリキュラムに加えられ、学校で選択科目として授業が始まった。トルコ全体で2万4,373人の学生がクルマンジー語とザザ語を選択した。学生らが授業の開講を希望するとともに、それを教える教師の需要も高まった。
国民教育省は、昨年、マルディン・アルトゥクル大学で、ディジレ大、ビンギョル大、ムシュ大の学生900人に、1年のクルド語教育の後、(教師としての)採用を約束した。しかし実際に採用は実施されなかった。民主化のパッケージによって、クルド語の授業は私立学校だけで行われ、公立学校で働きたい教師候補生にとって扉は閉ざされた状態だ。
9月に卒業したが採用がなかったユヌス・アスランさんは、「あれはマスコミ向けの発表だった」と語っている。他の候補生だったエンギン・アリンさんもユヌス・アスランさんと同様の考えだ。アリンさんはハッラン大学文学部を卒業。1・2年次に教職課程を取れなかったためにKPSSの準備ができず、在籍学科では教員になれないとわかると、クルド語の教師になるため、マルディン・アルトゥクル大学へ来た。
■「私たちをだました」
アリンさんは、「年度当初、(国は)教職課程を経た後に採用する、仕事を与えず放置したりしないと言っていました。長い1年が終わりました。今度はテレビで『派遣はできない。クルド語教師の任がないからだ』と言い出したのです。追加授業の学費を納めれば、教師になれるそうです。学んだ大学の学部により採用するというのです。そもそも初めから採用されていれば、クルド語教師になるためにさらに1年もの時間を無駄にしなかったでしょう。私たちはだまされたのです」と語った。
アリンさんは民主化のパッケージに期待を持てないという。「私立学校ではクルド語教育が行われると言われています。しかしこれはまったく馬鹿げています。無職になろうと、団体を作って、自分の言語を活かそうと思います。私立学校で教師をしようとは思いません。自分の言語で教師を務めることは私の権利であり、この職を離れることなどありえません。」
マルディン・アルトゥクル大学のカドゥリ・ユルドゥルム副学長は、アンカラに行き、首相の筆頭相談役であるヤルチュン・アクドアン氏と面会したという。ユルドゥルム氏は、「クルド語教育は、私立学校では開講されましたが、公立学校ではその教育の権利が保障されていません。裕福な者は学べ、そうでない者は学べない、このような状態は、認められません」と述べる。ユルドゥルム氏は、私立学校が教員を募集している事態にも言及し、「私立学校は自身の主義主張に基づいて教員の不足を解決できますが、公立学校で我々の卒業生がポストを獲得できる保証はありません。このような事態ではまたも我々が被害者です」と語った。
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( 翻訳者:鈴木直子 )
( 記事ID:31663 )