■エジプトの8億4,700万ドル規模の投資がイラクのクルド人自治区に
【マルワ・ハッダード】
クルド人自治区の産業大臣は来月初旬、同地域の多数の実業家を含む代表使節の団長としてカイロを訪問する。この訪問はムニール・ファフリー・アブドゥンヌール貿易・産業大臣が今月初旬に同地域を訪れた際に招待したことを受けてのもので、両者の貿易関係を活性化する狙いがある。
貿易代表機関が発行したエジプトとクルド地域の貿易関係の発展に関する報告書によると、エジプトのクルド人自治区への輸出額は2011年が1億6,300万エジプトポンドであったのに対し、2012年は約108%増えて3億3,900万エジプトポンドに達した。
また報告書は、以下の通り付け加えた。エジプトの対クルド人自治区輸出の構造は高い多様性によって特徴づけられており、食糧、野菜、果実、医薬品、電化製品、家具などが挙げられる。エジプトの対クルド人自治区投資に関して言えば、3つのプロジェクトに集中しており、その投資額は合計で8億4,700万ドルに上る。プロジェクトのうちのひとつは家畜の飼育や飼料の製造で、残りのふたつは建設関係である。
報告書はさらに、クルド人自治区はイラクの諸地域で投資のために最もより魅力的であるみなされると強調した。というのも、同地域が相対的に政治的安定や安全を享受しており、イラクの他県のみならず他の湾岸アラブ諸国へ(の進出)の窓口として外国企業や機関が投資やビジネスをするために進出しているからだ。それと同時に、クルド地区における投資法規は、外国からの投資に対し多数の便宜を提供している。具体的にはプロジェクトに対する用地の無償(提供)の許可に加え、最も重要である点は外国人投資家に国民同様の待遇をしていることであろう。そして成長している同地区の需要、そして同地区がその需要を満たすのに輸入に頼っていることを鑑みれば、同地域は特に観光、工業、農業分野における多くのエジプトの投資にとって好ましい風土を約束しているのだ。
報告書は、今月のエジプトの大臣の訪問は現在のクルド人自治区・エジプト両者間の関係の規模に対して良い影響を及ぼす提案をもたらした。具体的には、今後の措置としてエルビルにおけるエジプト製品の物流地域やエジプトの産業地区の設立について議論した。また、建設業界における同地区との協力強化や、観光や農業分野での関係の発展に加え、エジプトと同地区の貿易・産業省間の相互理解に関する覚書に署名することについて議論した。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:31713 )