モロッコ:カサブランカはアフリカでの国際金融の役割を模索
2013年10月21日付 al-Hayat 紙
カサブランカ郊外の航空機部品工場(AFP)
■カサブランカはアフリカでの国際金融の役割を模索
【ラバト:ムハンマド・シャルキー】
アメリカの「フォーブス」誌は、モロッコの経済的中心地であるカサブランカは、市街中心部のアンファ地区に建てられた「金融村」での、数百の会社と金融機関による支店開設を通じて、アフリカ最大の金融中心地に変わると予測した。
同誌によると「カサブランカ・ファイナンス・シティ」計画は、じきに日の目を見るだろう。それにより、西・中央・北アフリカ地域は、その「褐色の大陸(アフリカ)」が必要とするさまざまな投資に不可欠な資金調達を行えるようになる。アフリカ大陸は、平均して約5%の年間成長を達成し続けており、これはアジアに次いて2番目の平均成長率である。
同誌は、ニューヨークの大銀行の多くは、カサブランカに世界的な金融の中心の支店を開く予定であり「ゴールドマンサックス」「JPモルガン」「シティグループ」などが挙げられる、と指摘した。そして、アラブ首長国連邦(UAE)の金融機関もカサブランカに支店を開く契約をした。またロンドンの「金融センター」は、モロッコの新たな金融センター計画への技術支援とロジスティクスの知識提供を引き受けるだろう。
同米誌は、モロッコをアフリカと地中海南岸の金融中枢にするという選択の背後にある客観的な要因として挙げられるものは、地理的位置、政治・社会的安定、欧州連合(EU)への経済開放政策、アメリカとカナダとの提携合意、湾岸アラブ諸国との戦略的協力の合意、サブサハラ・アフリカとの歴史的、文化的関係である。
同誌によると、モロッコこそが、政治的、制度的、法制的、経済的に、アラブの春の国々の中で最も安定しており進歩的で発展している国である。このことが、仏語圏アフリカの将来のための担保を与えている。
金融センターはアンファ地区に位置し、ここでは第二次世界大戦の連合国会議が開かれた。1943年、この会議には、フランクリン・ルーズベルト米大統領、ウィンストン・チャーチル英首相、シャルル・ド・ゴール将軍に加え、スルタン・ムハンマド5世も参加していた。
その場所の象徴性は、人間の自由を支援する都市としてカサブランカが享受する国際的地位を反映している、と同筋は考えている。
カサブランカはモロッコの国内総生産(GDP)の20%を満たしており、500万人以上の人々が住んでいる。そして、48%の金融機関と工業・商業企業がカサブランカにあり、3,000の国際的企業を有する。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:31747 )