マカーレム=シーラーズィー、ワッハーブ派の動きに警告
2013年10月17日付 Jam-e Jam 紙


 シーア派のマルジャエ・タクリード(最高権威)であるアーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーは、「今ワッハーブ派の動きや〔イラン国内の〕人口構造を変えようとする彼らの企てに対して何らかの対策を考えなければ、いかなる措置も不可能となるような状況に陥る可能性があるということを、責任者たちには言っておいた」と述べた。

 アーヤトッラー・ナーセル・マカーレム=シーラーズィーは本日、ゴムで開かれたイマーム・サッジャード国際会議の関係者らを前に、「近年ワッハーブ派はイラン国内で多くの活動に着手しており、その発生源は海外の国々にある。彼らのイラン国内での計画実行もスピードアップしている」と語った。

 同師はさらに、「シーア派が中東の様々な地域を掌中に収めているとワッハーブ派が感じ、またイランの体制も預言者一門の教義〔=シーア派の教義〕の上で盤石なものとなっていることが、彼らがこのような行動に出ている最大の原因なのである。スンナ派信徒の権利が〔イスラーム共和国体制下において〕踏みにじられているわけではないにもかかわらず、である」と付け加えた。

 マルジャエ・タクリードである同師は、こうした状況下でワッハーブ派がもがいていることは明白だと指摘した上で、「シーア派の基本的中心地は今やイランである。彼らがイスラーム共和国との闘争を模索しているのは、まさにそのためであり、そのために彼らが企てている最大のものこそ、〔イラン国内の〕人口構造を変化させ、スンナ派信徒を増やすことなのである。こうした活動の一方で、彼らはシーア派信徒から土地や家屋、商業地の買い上げを進めている」と指摘した。

 同師はさらに「一部の地域にいる少数派のシーア派信徒に圧力をかけて移住を強要し、宗派の比率を変えることも、ワッハーブ派のしているもう一つのことだと考えられる」と続けた。

 アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはマシュハドやシーラーズ、オルーミーイェ(ウルミエ)といった街でワッハーブ派が行っている類似の行動について言及し、「今やマシュハドの周辺では、スンナ派信徒がシーア派信徒から土地や家屋を買い漁っているのを目にすることができる。それは、自らの人口比率を高めるためなのである」と述べた。

 ゴム神学校の卓越した教師である同師は、ワッハーブ派とシオニズム体制との間には極めて近しい関係が支配していると指摘し、「いずれにせよ、これらの集団〔=ワッハーブ派〕の活動が活発化すればするほど、結果的にイスラエルの利益となるのだ」と指摘した。

 同師は、こうした活動について、国の当局者との会合の中で勧告や警告を発したことがあると指摘した上で、「今これらの問題への対応・対策を考えなければ、いかなる措置も不可能となるような状況に陥る可能性があるということを、責任者たちには言っておいた」と語った。

 アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーはワッハーブ派の活動に適切かつ一貫した対策を練るためのワーキンググループを立ち上げるべきだと訴えた上で、「このことで打開不可能な行き詰まりなど存在しない。我々はさらなる努力をしなければならない」と加えた。

 マルジャエ・タクリードである同師はさらに、「ワッハーブ派に対して思想的に立ち向かうことを目的として、某グループがイマーム・サッジャード国際会議を開催したことは、極めて良いこと、好ましいことであり、シーア派の教義の普及につながるだろう。それがもたらす祝福は、全ての国やイスラーム体制に届くであろう。たとえ1リヤールでも、預言者一門の教義〔=シーア派〕の基礎普及に使うのなら、それは実際には、イスラーム体制の安全と安定に寄与する行為なのである」と続けた。

〔‥‥〕

 アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーは、ワッハーブ派の虚言はシーア派のことをタクフィール主義者だと表明するまでになっていると指摘し、「シーア派のマルジャエ・タクリードたちのリサーラ(宗教論文)を一瞥すれば明らかなように、我々は預言者一門への敵対者及びハワーリジュ派のみを不信仰者(カーフィル)と見なしているのであって、その他のイスラーム諸宗派の信徒の権利については、それを尊重している」と述べた。

 マルジャエ・タグリードである同師はさらに、「現状におけるシーア派信徒の義務の一つに、〔シーア派の教義に関する〕懐疑を払拭し、ワッハーブ派の嘘を詳らかにすることがある。というのも、彼らは自派の学術書の中でも、容易に嘘を言い、シーア派を中傷しているからである」と付け加えた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(ヌーリー=ハメダーニー「イランへのワッハーブ主義の浸透のために30億ドルが支出」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:8410039 )
( 記事ID:31815 )