日本安倍首相の「アーミン」は220億ドルのため?
2013年10月30日付 Cumhuriyet 紙
マルマライ開通式で両手を広げ祈りをささげた日本の安倍首相が来訪目的が、トルコでの式典ではなかったことが明らかとなった。日本の首相はトルコと日本の間のスィノプに建設される原子力発電所の合意のために来土したことがわかった。
マルマライ開通式でメフメト・ギョルメズ宗務庁長官の祈りに参加した写真で話題となった安倍首相は、スィノプの原子力発電所のためにエルドアン首相と会談した。
■220億ドルの合意
夕刻ドルマバフチェの首相府にて行われた2者会談は約2時間続いた。非公開で行われた会談後の発表では、220億ドルの原子力発電所の入札に向けての最後の署名がなされたと伝えられた。
■記者会見を開いた
エルドアン首相と日本の安倍晋三首相は、ドルマバフチェでの会談後、共同記者会見を開いた。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は原子力発電所の建設について、「事故が100%無いと言うことはできないし、100万回に1回でも起きれば重大な脅威や事故になる可能性がある。これらを無視して進めることはできない。しかしそうではあっても、私たちが原子力の必要性を感じているのならば、私たちは前進しなければならない。ようやく、その第一歩をロシアと踏み出し、二歩目を日本と一緒に進めているのだ。今はこの計画の早期実現で頭がいっぱいだ」と話した。
原子力発電所に関する質問に対しエルドアン首相は、私たちは、日本の原子力の先端技術がどれほど進んでいるか分かっているから、日本と合意書にサインしたのであり、エネルギー天然資源省の大臣や関係者も必要な調査は行ったと説明した。
エルドアン首相は福島の原子力発電所の事故に言及しながら、「事故が100%無いと言うことはできないし、100万回に1回でも起きれば重大な脅威や事故になる可能性があることは皆知っている。これらを無視して進めることはできない。しかしそうではあっても、私たちが原子力の必要性を感じているのならば、私たちは前進しなければならない。ようやく、その第一歩をロシアと踏み出し、二歩目を日本と一緒に進めているのだ。今はこの計画の早期実現で頭がいっぱいだ」と話した。
「トルコは原発事故の可能性に対しどのような対策を講じているのですか?」との質問に対し、エルドアン首相は次のように答えた。
「100万回に1回の事故は、どうすることもできないものです。どうにかできるものなら、(事故の)可能性を消し去るし、起こらないようにする。このような事業は、どんな分野であっても、事故の可能性が0ではない。私たちは飛行機に乗るでしょう?100%安全という保証はどこにありますか?何でも起こり得るのです。しかし航空業界では、会社や業者が事業を行うとき、100%の安全対策を講じています。それにもかかわらず、飛行機は落ちている、つまり「絶対落ちない」ということはないのだ。私たちは自動車に乗っている、そして自動車は事故を起こす。今、事故を起こすからと言って私たちは自動車に乗らないだろうか?飛行機に乗らないだろうか?これらは全部ごく普通のことなのだ。しかしこれ(原子力発電所建設)に関して事故の可能性を最小限にすることは、もちろん理想的なことだ。加えて、私たちがトルコのスィノプ原子力発電所で共に進めていくこの事業において、日本は最先端の技術を提供すると信じている。これは日本にとっても、トルコにとっても必要であり、日本とトルコが互いを信頼し、このような協力関係を築いてゆくことで、私たちは一歩を踏み出すのだ。素晴らしいものになることを願っている。」
■5月に協定へ調印
トルコと日本の大規模な戦略協力に向けた最初の調印は5月に行われていた。この枠組みでエルドアン首相と日本の安倍首相はスィノプで合計220億ドルの原子力発電所建設の協定に署名していた。
4基から成る発電所の発電量は4,480メガワット、年間400億キロワット時となる。発電所の第一号基は2023年に、最終基は2028年に稼働開始が予定されている。
原子力発電所の建設に1万人、建設後も合計2千人の雇用が期待されている。
スィノプに建設される電子力発電所プロジェクトを獲得したコンソーシアムの中には日本の三菱重工業、伊藤忠商事、フランスのGDFスエズが含まれる。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:31843 )