国会へスカーフ着用で登壇した女性議員の祖父はCHP支持者
2013年11月03日付 Hurriyet 紙
トルコ大国民議会本会議にスカーフ着用で出席した、公正発展党(AKP)カフラマンマラシュ県選出のセヴデ・バヤズト・カチャル国会議員の祖父は、共和人民党(CHP)カフラマンマラシュ県選出国会議員を二期務めたアリ・シャーヒン氏だった…。22歳のときにスカーフをかぶり始めたと言うセヴデ・バヤズト・カチャル議員の母は、「家族から『どうしてかぶるのか』と圧力を受けたことは一度もありません。私はそういう環境で育ち、成長しました。父 は今も共和人民党支持者で積極的に活動しています」と述べた。
トルコ大国民議会本会議にスカーフ着用で出席した、公正発展党(AKP)カフラマンマラシュ県選出のセヴデ・バヤズト・カチャル国会議員の母、アイシェギュル・バヤズトさんは、娘が皆に愛され、活動的で勤勉な政治家であると述べ、「今変わったことは何ですか?頭にかぶっているスカーフで変わるのですか? いいえ、彼女は同じセヴデのままです…。すべてよくなりますように。私たちのトルコに災いが起こらない限り、後退しない限りにおいて」と語った。
ドラゴスにある家で会見を行った母親のカチャル氏は、娘は中学生の時に短い間だけスカーフをかぶっていたと明かした。
娘は巡礼からの帰還にたいへん感銘を受け、「私たちの罪は赦されました。私は清廉潔白を貫きます。私の信仰に従い、スカーフをかぶりたいのです」と述べ、スカーフをかぶることを決めたと説明するバヤズトさんは、次のように語った。
「それにしても彼女は常にとても敬虔でした。スカーフの話題についていつもこう考えていました。『神様がチャンスを授けてくださればいつでもスカーフをかぶることができるけれど、すごくかぶりたいと思っている。その時はくる』と。彼女の父親も、今は亡き私の夫ですが、二人の娘に『スカーフをかぶりなさい』と言ったのを一度も聞いたことがありません。ただ、周囲から聞かれたとき彼はこう言っていました。『私は子供たちに必要な宗教の教育をしました。彼女たちは18歳になりました、自分たちで判断できることです。私たちの宗教には一切強要や圧力はありません。私は子供たちに圧力は与えません。自分たちが望むときにいつでもスカーフをかぶることができるのです』と。巡礼からの帰途でのことだそうです。娘がスカーフをかぶってくれて私もとても嬉しいです。」
■祖父は共和人民党党員
バヤズトさんは自身が22歳のときにスカーフをかぶり始めたと述べ、「私は共和人民党支持者の家族の子供です。父アリ・シャーヒンは共和人民党カフラマンマラシュ県選出国会議員を二期務めました。私はそういう家庭で生まれ育ち、自分の意志で22歳の時にスカーフをかぶりました。家族から『どうしてかぶるのか』と圧力を受けたことは一度もありません。私はそのような環境で成長しました。私の家族はスカーフを被らないように求めることも、圧力をかけることもしませんでした。父ともとてもよく分かり合えています。顔を見て何か言わなくても、後ろから見守ってくれてとても幸せな気持ちでした。私たちの間に何の問題もありませんでした。父は今も共和人民党支持者で積極的に活動しています」と話した。
「娘さんはトルコ大国民議会に歴史を刻むことになりますが、今のお気持ちは?」という質問にバヤズトさんは、これは民主化という点で非常に重要であると述べた。
バヤズトさんは、以前はこのようなことは話題にもならなかったと話し、以下のように続けた。
「私たちはメルヴェ・カヴァクチュ事件を経験しました。この事件は個人の権利と自由の観点から見るべきです。つまり宗教的側面が非常に重要です。しかし彼女は、個人の選択と信仰上の理由からスカーフをかぶろうとしました。私は信条としてすべての人を人間として見ています。誰も批判しません。周囲の皆をありのままに受け入れます。私とは正反対の考え方の人で世界が全く異なる人たちも、私の近い友達です。お互い尊重しあっていますし、ありのままの姿を受け入れています。セヴデにしても個人的な選択です。尊重すべきです。私が目の前にいる全ての人に示すのと同じだけの敬意を、彼らにも示してほしいです。数年前のような事件が起こるとは考えていません。なぜならトルコでは、この意味でとても前向きな発展があったからです。願わくば何も問題なく、緊張が起こらずにこうしたプロセスが終わりますように。」
■「彼女はセヴデのまま」
バヤズトさんは、娘が2年半スカーフをかぶらないでも、議会の議員仲間と友達として付き合え、不安を感じることなく務めることができたと述べ、「セヴデは皆に愛され、活動的で勤勉な政治家です。今変わったことは何ですか?頭にかぶっているスカーフで変わるのですか?彼女は同じセヴデのままです…。すべてよくなりますように。私たちのトルコに災いが起こらない限り、後退しない限りにおいて。皆自由に生きてほしい、思うとおりに。信仰も望むとおりに実践してほしい」と話した。
■「娘の夫がプロポーズしたとき、彼女はスカーフをかぶっていなかった」
娘婿もセヴデ・バヤズト・カチャル議員のスカーフの着用を前向きに受け止めていると述べたアイシェギュル・バヤズトさんは、次のように言葉を終えた。
「彼女の夫もとても満足しています。彼が結婚の申し出をした際、セヴデはスカーフをかぶっていませんでした。セヴデは夫に『私がスカーフをかぶっていると思ってプロポーズして。いつの日か、絶対かぶるから。その時はくるから』と言っていました。彼も笑いながら『それに同意するよ』と言いました。娘にはたいへんすばらしい夫がいます。いつもセヴデを支えています。」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:小川まどか )
( 記事ID:31879 )