イラク国境通関トラック長蛇の列―7億5千万ドル物資並ぶ
2013年11月09日付 Zaman 紙
イラク政府が行った食料品に対する特別検査のため、ハブル国境門では何キロにもおよぶ車両渋滞が発生した。トルコにとってドイツに次ぐ第2位の輸出先であるイラクのこうした態度がトルコ企業を苦しめている。国際流通協会は、交渉の結果、問題の一部が解決されたと明らかにした。
トルコの第2の輸出相手国であるイラクのこのような態度は、多くのトルコ企業に困難を強いている。イスタンブル穀物・豆・種子油製品輸出協会は、7億5千万ドル相当の物資が待機させられていると明らかにした。企業関係者は、この検査の判定は政治的なもので、トルコの輸出弱体化が目的ではないかとみている。国際流通協会のチェティン・ヌフオール会長は、危的状況からは脱しており、渋滞は3日以内に正常化すると語った。
分析検査もなしに「豚の脂が混入している」、「血圧を上げる」、「癌の原因になる」などと判定され、大型運送トラック(TIR)一台あたり、2万4000ドルの罰金が科された。先週水曜日だけでも、大小の企業の車両180台に罰金が科されたという。
チーズ製造企業のMBH食品は、これらのうち2つの罰を受けた。オーナーのビュレント・バイラクさんは、税関通過料の40倍もの罰金を科されたといい、「4万8000ドルの支払いがあります。そのほか6台の車両がイラクに向かっていますし、TIR10台分の注文を受けています。どうしたものか戸惑っています」と語った。
サーデト食品のスュベト・チチェキ社長も、製品に豚の脂が混入していると言われたという。
「われわれはこれらの製品を米国や欧州各国をはじめ、世界65ヵ国に輸出しています。これはトルコの輸出に打撃を与えるために仕組まれたことです。わが社のTIR27台が渋滞で待機しています。渋滞はジズレまで続いているそうですよ。10億ドル相当の輸出品がだめになり、各企業の製品650トンが国境で待機しています。」
エルヴァン食品のヒダーイェト・カーディルオール社長も、通常ならば1日2000台のTIRがハブル門を通過するが、現在800台しか通過できないと語った。「イラク側には製品がないが、製品の受け入れができないのです。一方で、こちら側からの積荷は続いています。今期はめちゃくちゃです。この状況が今週解決すれば15日分の売上損失で済みますが、解決しない場合、損失は莫大なものになるでしょう。」
イスタンブル穀物・豆・種子油製品輸出協会のゼケリヤ・メテ代表によれば、トルコ企業の製品7億5千万ドル相当がハブル門の渋滞で足止めを食らっている。同代表は、次のように語る。
「イラクに砂糖菓子を輸出していたトルコ企業は、ここ数日でかなり困難な状況に陥っています。私はこれを政治的な問題であるとみています。トルコ経済を壊滅させたいのでしょう。こういう出来事があるとトルコの輸出は被害を受けます。我々はイスラエルをはじめ、エジプトやイラクとの関係でも大きな問題を抱えています。一社につきトラック100台がハブルで何日も待機させられているのです。この状況は早急に解決されねばなりません。」
この危機的状況を受け、昨日、外務省と税関通商省の官僚と、国際流通協会(UND)の職員らが現場に急行した。
UNDのチェティン・ヌフオール会長は、会合の後、事態は小康状態に至ったと本紙に語り、「イラクへは1日2500台のTIRが出国していましたが、イラクからトルコへは1,000台程度です。北イラク政府はこのバランスをとるために食品検査を始めましたが、衝突は一部解決されました」と語った。同理事は、35kmだった渋滞は17kmまで緩和され、イラク方面へ向かうトラック数は再び2500台に達したと明らかにし、混乱は3日以内に正常化すると強調した。
「昨日は2,564台のトラックがイラクへ入った」と語る同会長は、農作物や食品の検査は完全なものではなく、適正化をはかっていることも付け加えた。イラクは、トルコの輸出相手国としてドイツに次ぐ地位にある。10月には対イラク輸出額は10億5700万ドルで、2013年の10ヵ月間で95億ドルの輸出がなされた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:31924 )