今年で35回目となるイスタンブル・マラソンへの関心はやはり大きかった。老若問わず、イスタンブル在住者と国外参加者がマラソンに出場した。(橋の上では)「駆け足」禁止とされたにもかかわらず、橋で起きた揺れは恐怖であった。
今年で35回目を迎えるイスタンブル・マラソンだが、橋での光景はさながらカーニバルであった。晴天も手伝ってマラソン大会の中で開催された市民ウォーキングには10万人以上のイスタンブル市民が参加し、橋ではランナーではなくメッセージを伝えようとする人々が競い合った。橋の両方向で右車線は安全上の理由のため閉鎖されたが、イスタンブル市民が「走っていない」にもかかわらず橋が揺れた。アジア側から始まってヨーロッパ側でゴールに達するイスタンブル・マラソンのスタート地点となったアルトゥニザーデに最初に並んだのはアスリート達であった。カーディル・トプバシュ広域市市長のスタートの合図で、42キロ、15キロ、10キロのコースを走り始めたアスリートらに続いて、橋がイスタンブル市民に開放された。再びトプバシュ市長のスタートの合図で、市民はグループを組んで大陸間ウォーキングを開始した。
■橋でピクニック
どのマラソンでもそうなように、イスタンブル市民も橋で自動車のない数時間を存分に楽しんだ。ペットと歩く人もいれば、ピクニックに来ている人もいた。市民が橋の上でたくさんの写真を撮っている一方で、チェスをする人、ローラースケートをする人、縄跳びをする人、橋の上でジャンプしながらポーズを取る人でカーニバル状態であった。
■政治的メッセージ競争
橋の上で政治的なメッセージには事欠かなかった。市民ウォーキングに「ラービア・サイン(4本指を立てるサイン)」がプリントされたTシャツを着て参加したグループは、「ラービア・サイン」が描かれた巨大なプラカードを掲げて、エジプトのクーデターを実行したシシ将軍に反対してスローガンを投げかけた。ラービア・プラットフォームが橋の上でタクビール(神は偉大なり)を唱えたことは、一部の参加者の反発の原因となった。ある参加者は、「ゲズィのためにスローガンを掲げたら逮捕するくせに、どうして介入しないのですか」と警察に不満を述べていた。
■プロポーズをする人も
「すべての一歩は未来の女性政治家のために」と言う参加者もいれば、障がいを持った人のために歩いていると述べる人もいた。車椅子でウォーキングに参加している市民が橋の上で記念写真を撮っている一方、ダウン症の子供たちは橋からボスポラス海峡を眺める興奮を味わった。セルカン・オズジャンさんがプラカードを使って行ったプロポーズを、ハッヴァ・ボズさんは受け入れた。
■恐怖
交通大臣の「走ることを許可しない」という発表はウォーキングが終わるまで有効だった。群衆は橋を走りながらではなく歩いて通過した。あらゆる措置がとられたにもかかわらず、市民ウォーキングの間、ボスフォラス大橋は2010年ほどの強さではないがやはり揺れた。橋が最も混雑した11時ごろに橋で感じられた揺れは、人々を不安にさせた。揺れの度合いは橋の中ほどにある街灯が揺れたほどである。特に子供たちは興奮してキャーキャーと叫んでいた。
■ギゼム氏のための運動
オレンジ色のつなぎ姿でお互いを鎖でつなげてマラソンに参加したグリンピースの活動家らは、ロシアで60日間拘束されている仲間のギゼム氏への支援メッセージを送った。「ギゼムに自由を」と書かれたポスターを持ったグループに、ギゼム・アクハン氏の母親と親族も同行した。また、別のグループはバルバロス大通りの陸橋で「北極の石油競争を止めろ」と書かれたプラカードを掲げた。
■エルヴァン、競技で2着
ボーダフォン・イスタンブル・マラソンでは、ケニア生まれのフランス人のアブラハム・キプロティッチ選手が優勝した。42,195キロのマラソンでキプロッチ選手が一位を手にした一方、エチオピアのスィラジ・ゲナ・アムダ選手が二位、デリバ・メルガ・エジグ選手が三位となった。女子マラソンではケニア人選手レベッカ・カンゴゴ・チェシレ選手が優勝した。トルコを代表して競技に参加したエルヴァン・アベイレゲッセ選手が二位、三位はスルタン・ハイダル選手であった。女子15キロの部では一位から三位までをエチオピア人選手が手にし、イェネネシュ・ティラフン・デインケサ選手が一位、セロミエ・カッサ選手が二位、レテブルハン・ゲブレスラセア選手が三位となった。男子の部では、エチオピアのビルハン・ネベベウ・テスファイェ選手が一位、ケニアのサイモン・ギチュキ・ニドラング選手が二位、トルコのシェレフ・ディルリ選手が三位となった。男子10キロの部では、リビア人のアブドゥルハク・アクシャリフ選手が一位、カナダ人のマティアス・ハインケ選手が二位、トルコのスィナン・タトゥル選手が三位になった。
■車椅子の部で3人のトルコ人女性に賞
車椅子の部で一位の選手それぞれに5000ドル、二位の選手それぞれに3000ドル、三位の選手それぞれに2000ドルの賞金が与えられた。男子車椅子の部でポーランド人のハメルラク・トマスズ選手が一位、タイ人のプラソプチョケ・クルンゲルン選手が二位、トルコ人のオメル・ジャンタイ選手が三位になった。女性の部の賞は、3人のトルコ人女性選手が獲得した。一位入賞をハミデ・クルト選手、二位入賞をズベイデ・スプルゲジ選手、三位入賞をマシデ・ジェスル選手が手にした。
■「100万ドルの賞金が授与された」
スルタンアフメト広場で実施された授賞式で、マラソンと車椅子の部の入賞者への賞が、ヒュセイン・アヴニ・ムトゥルイスタンブル知事、カーディル・トプバシュ・イスタンブル広域市市長を含む、10人の委員によって授与された。3種目のレースで2万人の選手が走り、国際陸上競技連盟がその格付けで「金」に認定した大会では、合計で100万ドルの賞金が授与された。マラソンの部一位の選手は5万ドル、二位の選手は2万5000ドル、三位の選手は1万5000ドルの賞金をそれぞれ受け取った。車椅子の部では、一位の選手が5000ドル、二位の選手が3000ドル、三位の選手が2000ドルをそれぞれ獲得した。
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( 翻訳者:小川まどか )
( 記事ID:32018 )