トルコ・エジプト外交危機―大使「国外退去命令」応酬
2013年11月23日付 Zaman 紙
エジプト外務省報道官は、トルコとの外交関係を格下げし、トルコ大使にもエジプトからの退去を要求したことを明らかにした。これを受けてトルコ外務省は、エジプトとの関係が代理公使レベルに落とされたと発表した。エジプトのアブデラフマン・サラーフッティーン大使は「好ましくない人物(ペルソナ・ノン・グラータ)」を通告された。
外務省が行った会見によると、ヒュセイン・アヴニ・ボトサル在カイロ・トルコ大使は今日エジプト外務省に呼び出され、アンカラに駐在するエジプト代表のレベルが代理公使レベルに格下げされること、大使自身も「好ましくない人物」の通告を受けたことを知らされ、遅くとも2013年11月29日までのエジプト退去を要求されたという。
この進展に対し、(トルコ外務省は)国際関係の基本である均衡の原則にしたがって、トルコに駐在するエジプト臨時代理公使を外務省に呼び、外交関係が代理公使のレベルに格下げされたこと、先立って協議のためトルコを離れていたアブデラフマン・サラーフッディーン在アンカラ・エジプト大使が「好ましくない人物」の通告を受けたことを伝えたと説明した。外務省の会見では、次のように述べられた。
「この残念な状況について歴史の前で責任を負うべきは、エジプトにおいて7月3日の革命の非常時下で始動した暫定政府である。しかしながら、トルコ・エジプト国民間の歴史に基づく根本的な関係と兄弟としての繋がりは、いかなる時もいかなる条件においても存続する。同胞であり兄弟であるエジプトが一刻も早く安定と民主主義を取り戻し、直後に両国間の関係が正常に戻ることを希望している。」
■エジプト、トルコ大使に国外退去を要求
エジプトのバドゥル・アブデラッティ外務省報道官は、今日(23日)行った会見で、更にトルコ政府をエジプトに不安定を広めようとする組織を支援していると非難した。会見ではこの組織に関する名前を挙げない一方で、ムスリム同胞団と解任させられたムハンマド・ムルシー大統領は言及されたことが述べられている。アブデラッティ報道官は会見で、トルコが「エジプトの利益に反して民衆の見解に影響を与えようとし、エジプトに不安定を作り出そうとする集団の対話を支援している」と述べた。エジプトは、ヒュセイン・アヴニ・ボトサル在カイロ・トルコ大使に「好ましくない人物」を通告した。
■「両国関係が再び軌道に戻ることを望む」
アブドゥッラー・ギュル大統領は、エジプト政府が今日在トルコ・エジプト大使を国に召還したことに触れ、「両国関係が再び軌道に戻ることを望んでいる」と述べた。ギュル大統領は、「この件についてこれ以上述べることはない。非常時である。トルコ・エジプト間のこの状況は一時的な憶測上の状況である。我々はエジプトが民主主義になることを希望している。トルコとエジプトは地中海の両岸で半分ずつにわかれた1つのりんごのようなものである。南にはエジプトのような大国が、北にもトルコのような大国がある。我々の間には歴史上、非常に重要な関係があった。エジプトで起こったことを非常に遺憾に思う。これらの関係が将来再び軌道に戻るよう、望んでいる」と述べた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:32062 )