ハーメネイー最高指導者「核のレッドラインは守られねばならない」(2)
2013年11月21日付 Jam-e Jam 紙


 イスラーム革命最高指導者は、「イスラーム体制は常に、全人類に対して愛と奉仕の精神で接したい、すべての諸国民と友好的な関係を築きたいと望んできた」と付け加え、さらに次のように指摘した。「イスラーム体制はアメリカ国民に対してすら、いかなる敵意も抱いてはいない。たとえアメリカ政府がイラン国民ならびにイスラーム体制に対して抑圧的で、敵意と悪意と憎悪に満ちた感情を抱いているとしても、である」。

 同師はその上で、「イスラーム体制の対極にあり、またイスラーム体制が対峙しているもの、それが抑圧(エステクバール)である」と強調した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はこの事実を強調した上で、数万人ものバスィージ司令官らの前で、エステクバール(傲慢、抑圧、抑圧的な国々)という歴史的語彙について説明し、続けてその現代的様相について議論した。

 革命最高指導者は、エステクバールとはコーランに見える語だとした上で、「エステクバールの歴史的骨格については一定しているものの、その具体的あり方については〔時代によって〕異なる」と述べた。

非理性的対応には反対

 同師はいかなる領域であれ、非理性的な対応には反対であると強調した上で、「あらゆる領域、特に抑圧諸国(エステクバール)への異議申し立てと闘争においては、しっかりとした計画と洞察力、知性をもって行動する必要がある」と指摘した。

 革命最高指導者は、抑圧体制に対して理性的な対応をするには、その特徴やこれまでの行動、方向性について知ることが不可欠だとし、さらに「覇権体制の特徴について正しく知らずして、これとの対決に向けてしっかりとした計画を立てることは不可能である」と続けた。

 同師はさらに、抑圧体制の行動の特徴について説明する中で、その本質的な特徴、すなわち自分こそが優越的な立場にあるという思い上がった考え方に集中して議論を行った。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はその上で、一国ないし一国際秩序が自分たちこそ本質であり、中心であり、優越的立場にいると考えたときに、国際関係に危険な構図が生まれてくるのだと指摘し、さらに覇権体制が抱く「自分たちこそ絶対的に優越した立場にいる」という考え方が、他国の内政に干渉する権利があるなどという考え方や、他の諸国民に自らの価値観を強要しようとする態度、自分たちこそ世界を統治することができるなどという主張へとつながっていくのだと喝破した。

 同師はその上で、「アメリカの政府関係者たちは、自分たちこそ〔世界の〕諸国民に指図する権限をもった存在、世界や〔中東〕地域の所有者であるかのような口の利き方をしている」と付け加えた。

イラン核問題は諸国民の権利に覇権主義者たちが異を唱えていることの明確な例

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は「自分たちは優越した立場にいる」という抑圧諸国の思い上がった態度がもたらすもう一つの結果として、〔他の諸国民の〕権利を受け入れようとしない姿勢を挙げた。

 同師は抑圧諸国・アメリカが諸国民の権利に対して抵抗していることについて触れ、「イラン核問題は、覇権主義者たちが〔世界の〕諸国民の権利に対して異を唱えていることの、明確な一例となっている」と付け加えた。

 革命最高指導者はその上で、「どのような人も、また論理的思考能力をもった人たちからなる、どのような国も、真理/権利の言葉には従うものである。しかし抑圧諸国は他者の明確な真理/権利の言葉を受け入れず、これらの権利を踏みにじろうとする」と指摘した。

 同師はまた、諸国民に対する犯罪行為を正当と見なすのも、抑圧諸国のもう一つの特徴だとし、「覇権体制は自分たちに服従しようとしない民族や人々に価値を認めず、いかなる犯罪行為も自分たちの権利であるとして正当化するのである」と付け加えた。

 同師はこうしたことについての尽きることのない実例の一部を指摘する中で、アメリカ原住民に対する抑圧者たちの忌まわしき対応や、オーストラリア原住民の権利に対するイギリス人たちの犯罪行為、アメリカ人によるアフリカ黒人の奴隷化などを挙げた。

 同師はさらに、アメリカが日本で原爆を使用したことも、抑圧諸国による最近の犯罪行為の一例であるとした上で、「世界で二度、原爆が使用されたが、それらはいずれも、アメリカが日本の人々に対して行ったものなのである。しかしこうした犯罪行為にもかかわらず、今や彼らは世界の核問題の管理者を自任しているのである」と指摘した。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:32068 )