ハーメネイー最高指導者「核のレッドラインは守られねばならない」(3)
2013年11月21日付 Jam-e Jam 紙

 革命最高指導者はベトナムやイラク、パキスタン、アフガニスタンで起きた市民の殺戮や拷問の数々について指摘し、「グアンタナモやアブー・グレイブで行われた憎むべき拷問が諸国民の記憶から去ることは、決してないだろう」と付け加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は覇権体制に理性的に対応するためには、抑圧諸国の特徴について知ることが必要だという基本的了解から、覇権主義者たちのもう一つの特徴、すなわち彼らの詐欺的・偽善的性格について論じた。

犯罪行為に《貢献》の服を着せることこそ、抑圧者たちの常套手段

 ハーメネイー師は「犯罪行為に《貢献》の服を着せること〔=犯罪行為を、あたかも人々のためを思った行為であるかのように装うこと〕は、抑圧者たちの常套手段だ」と指摘した。

 革命最高指導者はこうした事実を証明するために、アメリカのプロパガンダの中で日本への核攻撃がどのように正当化されているのかについて指摘し、次のように付け加えた。

アメリカは、もし広島と長崎への核攻撃で20万人の人々が殺されなければ、第二次世界大戦は終わらなかった、人類社会はさらに200万人の犠牲者を堪え忍ばねばならなかっただろう、それゆえアメリカは日本への攻撃で、実際には人類に貢献したのだ!などと言っているのだ。

 同師はさらに、次のように続けた。

こうした驚くべき嘘と大いなるペテンは、今も繰り返されている。しかし現存する資料によれば、アメリカが日本で核による犯罪行為を犯す数ヵ月前、第二次世界大戦の主要なプレーヤーだったヒットラーはすでに自殺していた。第二次世界大戦のもう一人のプレーヤーだったムッソリーニも、この攻撃の前に逮捕されていた。そして日本は二ヶ月前から、降伏の用意があると表明していたのだ。

 革命最高指導者は、アメリカによる日本への核攻撃の真の理由について、「真実はこうだ。アメリカは自分たちの新兵器、すなわち原爆を実際の現場で試してみたかったのだ。そしてそれを、広島及び長崎の無辜の人々の殺戮という形で、実行に移したのである。ところが彼らは今、自分たちのプロパガンダの中で、この犯罪行為に〔人類への〕貢献という服を着せているのである」と説明した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、シリアで化学兵器が使用された事件についての偽善的対応もまた、抑圧体制の詐欺的性格のもう一つの例であると指摘し、次のように述べた。

米大統領ならびに同国のその他の当局者たちは、何度も、化学兵器の使用を越えてはならない一線であると表明してきた。ところがそのアメリカは、サッダームによるイラン国民への化学兵器による攻撃に対して、異を唱えなかったばかりか、最低でも500トンもの極めて危険な化学物質を、サッダームに供与したのである。バグダードの独裁者はこれを利用して、マスタードガスを作り、イランの防衛に携わる勇敢なる人々を狙い打ちにしたのだ。

 同師は約300名もの乗客が米艦隊によるイラン民間航空機への攻撃で殺害された事件や、サッダームへの惜しみない情報支援などを、アメリカによる犯罪行為のもう一つの例として挙げ、「〔国内および各国間の〕対立を煽り、戦争へと煽動することも、抑圧体制のもう一つの特徴だ」と付け加えた。

抑圧諸国がイスラーム共和国に対して謀略を企てる真の理由

 革命最高指導者は演説の別の箇所で、「真理(神)の戦線」と「抑圧(傲慢)の戦線」との間の、歴史が始まって以来の対立について言及し、抑圧諸国がイスラーム共和国に対して謀略を企てる真の理由は何かという、根本的疑問を提起した。

 同師はこの疑問への答えとして、イスラーム革命が起きた真の要因に遡って、次のように述べた。「偉大なるイラン国民の革命と、この国民が選んだ体制は、基本的に抑圧諸国とそのエージェントたちへの抗議として形成され、成長していったものである。こうした特徴に鑑みるならば、抑圧諸国がイラン・イスラーム共和国体制を打ち破ることに絶望しない限り、彼らがこれを我慢することは根本的に不可能なのである」。

〔‥‥〕

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:大麻高校出身者の会 )
( 記事ID:32079 )