ハーメネイー最高指導者「核のレッドラインは守られねばならない」(4)
2013年11月21日付 Jam-e Jam 紙

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は88年の反乱〔=2009年大統領選後の抗議運動〕で現アメリカ大統領が担った役割について触れ、「当時、反乱者らを支援する可能性があったソーシャル・ネットワークの一つは、修理を必要としていた。ところが、アメリカ政府はこうした活動が中断するのを阻止した〔※〕」と指摘した。

※訳注:米国務省がツイッター社に対し、メンテナンスによるサービス停止を延期するよう要請したことを指す。当時、抗議運動を繰り返していた人々は、ツイッターを連絡・情報共有手段に用いていた。

 同師はさらに、「彼らはソーシャルネットワークやツイッター、フェイスブックがイスラーム体制を転覆させる可能性があるなどと楽天的で世間知らずなことを考えていた。彼らはだから、すべての可能性を動員し〔て、イスラーム共和国体制の転覆を画策し〕たのである」と続けた。

 革命最高指導者は、イラン国民を打ち破るために敵が用いている手法の一つとして制裁を挙げ、「彼らの問題とは、この国民のことを、そしてこの国民が有している信仰心と団結心を知らないことである。彼らは過去の過ち・敗北から何も学んではいないのだ」と強調した。

〔‥‥〕

政府への支持は変わらない

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は演説の別の箇所で、核交渉をめぐる問題・議論について触れ、「私は〔ロウハーニー〕政権や国内の責任者たち、そして〔核問題をめぐって〕交渉にあたっている当局者たちを支持し続けるつもりだ。なぜなら、あらゆる政権を支持することが、自らの義務だと考えているからだ」と述べた。

 同師はさらに、「私は数年間、行政の責任者の位置にいたことがある〔※ハーメネイー最高指導者が1980年代に8年間、大統領を務めていたことを指す〕。私はその時、行政の仕事の重責や難しさを感じたものだ。行政の責任者たちには支援と支持が必要だということを、私は知っている。それゆえ、政府や当局者への私の支持は揺るがない」と続けた。

 イスラーム革命最高指導者はまた、「もちろん、他方で私は核の権利をはじめとするイラン国民の権利が、確たるものとなることを強く求めているし、イラン国民の権利について、一歩たりとも後退するようなことがあってはならないとの信念に変わりはない」と指摘した。

交渉の詳細については干渉しない

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、「私は交渉の詳細には干渉しない。ただし、守られねばならないレッドライン(譲ることのできない一線)は存在する。責任者たちにも、このレッドラインを守る義務がある。敵の雰囲気作りや脅しによって、恐怖におののくようなことがあってはならない」と述べた。

 同師は、イラン国民に対する制裁はアメリカの尊大な憎悪にその根本的原因があると指摘した上で、「イラン国民に対するアメリカの憎悪は実に根深い。彼らの圧力の目的は、恐らく〔イラン〕国民を屈服させることにあるのだろう。しかし彼らは間違っている。なぜならイラン国民は圧力を受けても、誰かに屈服するようなことはないからだ」と述べた

〔‥‥〕

 同師はまた、「制裁は効果をもたない。このことはアメリカ自身が理解していることだ。なぜなら、彼らは制裁の一方で、軍事的な脅しも用いているからだ。これは、制裁が彼らの所期の目標を達成していないことを示している」と強調した。

 イスラーム革命最高指導者はさらに、「もちろん、米大統領や同国の当局者らの口から次々と繰り出される軍事的脅迫は、極めて嫌悪すべきものだ」と指摘した。

〔‥‥〕

 ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者はまた、シオニストの資本家ネットワークが喜ぶような発言をしなければならない状況に米当局が置かれていることこそ、彼らの弱さと卑屈さの根源的要因だとした上で、「シオニスト体制は滅亡を宿命付けられている。なぜなら、この不吉なる体制は力で作り出された体制であり、力によって作り出された現象が持続することはないからだ」と指摘した。

 同師は一部のヨーロッパ政府が、実際には人間とは言えないシオニストたちに対してへつらっていることに遺憾の意を表明した上で、「かつてフランス国民は、同国の大統領が英米に対して抵抗したために、政治的信頼を獲得した時代もあった〔※米英主導の対イラク攻撃にフランスが異を唱え、それに加わらなかったことを指す〕。ところが今や、フランス政府関係者はアメリカに対してばかりか、不吉かつ不潔なるシオニスト体制に対してすら、こびへつらっている。これはフランス国民を辱める行為であり、彼らは自ら恥を雪ぐ方法を自ら見つけ出さねばならない」と指摘した。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


前を読む
記事の先頭に戻る
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:18072790 )
( 記事ID:32080 )