ギリシャ密入国を図ったシリア難民ボート転覆、6人死亡
2013年11月29日付 Radikal 紙
ブルハニイェ郡のペリトキョイ海岸からギリシャのレスボス島を経由してヨーロッパ諸国へ行くために出発したシリア難民の乗るゾディアックボートが転覆した。これにより、2か月の赤ちゃんを含む6名が死亡し、8名が救助された。
■家を出ると声が聞こえた
ブルハニイェのペリトキョイ村にあるファーティヒ91番地に住む定年退職者のジェム・クルトジェベさんは死んだ犬を埋めるために家を出た際、海岸から助けを求める声がするのを聞いた。海岸に近づくと、助けを求める人々がいることに気づき、「そばに近づくと密航者だと分かった。彼らは救命胴衣を着用していた。彼らは泳げないが、救命胴衣のおかげで陸にたどり着けたようだ。転覆したボートに仲間や赤ん坊がいることを英語で説明しようとしていた。彼らに協力して警察に連絡した。その後、捜索救助活動が始まった」と語った。
■計6名が死亡
クルトジェベさんの通報をもとに軍警察と沿岸警備司令部が現場で作戦を開始した。一方Alo 158沿岸警備ラインに電話した密航者の一人は乗っていたボートが沈みそうだと伝え、救助を要請した。
電話要請が来た地点を確認した沿岸警備司令部はこの地域のボートをここに向かわせた。捜索活動が続く中、6時30分ごろに3人が泳いで海岸までたどり着いたのが確認された。この3名からの情報により、ゾディアックボートが転覆し、死者や未だ海で泳いでいる者がいるということが分かった。沿岸警備司令部のボートは生存者6名と生後2ヵ月の赤ちゃんを含む5名を溺死した状態で救出した。しかし海岸に運ばれた1名は救命活動にもかかわらず亡くなった。
救出された難民たちは搬送されたブルハニイェ国立病院で治療を受けた。こうして救助活動により8名が救助された一方、6名の遺体は身元確認のため遺体安置室に置かれた。
■行方不明者2名の捜索が続いている
全員がシリア国籍だった密航者たちの情報によるとり、ボートには14~15人が乗っていたことが確認された。海にまだ1人か2人残っている可能性があるため、捜索活動が続けられた。沿岸警備司令部のボート3隻とヘリコプター1機が現場で捜索救助活動を行っていると発表された。一方、密航者たちはギリシャのレスボス島を経由してヨーロッパ諸国へ向かう予定だったということが分かった。
■お互いに抱き合って泣いていた
一方、難民の船から救出された人たちの病院での治療は続いている。救出された人たちの情報によると、船が沈み始めると皆で抱き合って涙を流し、その一部は救出されるまで4~5時間泳いでいたということが分かった。救助された8名のうち一人は女性であり、亡くなったのは赤ちゃん1人を含み、全員男性だったと発表された。関係者の話によると、ボートには16人が乗っており、密航者1名とトルコ人船長1名の海での捜索活動が未だが続いているという。難民たちは人身取引業者に一人当たり1000~1500ドル支払っていたことが分かっている。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:32127 )