女性の66%が暴力の被害者に(1)
2013年11月26日付 Mardomsalari 紙


 イラン人女性の66%が人生が始まってから〔1度は〕暴力の被害者となっていること、女性に対する暴力が多いのはコルデスターン地方だということ、暴力の種類の点でもっとも暴力的な街は〔イラン南西部の〕アフヴァーズだということ、保健省の責任者たちは暴力問題に対する関心が低いこと、イランでは社会的支援の観念が貧困であること‥‥。これらは、「配偶者からの暴力の犠牲者の治療に取り組む救急センター講習会」で取り上げられた最重要テーマを列挙したものだ。

 メフル通信の報道によると、「女性に対する暴力をなくす世界の日」に合わせる形で、「暴力被害者を守る会」主催で「配偶者からの暴力の犠牲者の治療に取り組む救急センター講習会」が月曜日〔=11月25日〕正午に開かれた。

 この講習会で、〔テヘラン精神治療研究所付属の〕行動科学・精神健康学部の学部長を務める精神科医のジャアファル・ボルハリー博士は、コルデスターン地方では家庭内暴力の発生率が高いことを明らかにした上で、「調査によると、クルド人家庭での暴力発生率は88%にまで達している。これらの暴力は〔そのほとんどが〕女性に対するものである」と述べた。

 同氏は、これらの暴力の一部は〔クルドの〕民族的・部族的文化に起因すると指摘した上で、「想像とは異なり、テヘランも家庭内暴力、それも女性に対する暴力の割合が極めて高い都市の一つである」と付け加えた。

 ボルハリー氏は最も暴力的な都市としてアフヴァーズの名を挙げ、「女性に対する暴力の範疇では、アフヴァーズが最も暴力的な町だと認められる。こうした暴力は、時に殺人や身体器官の欠損へとつながることもある」とした。

 テヘラン精神治療研究所所長でもある同氏は、殺人につながる暴力を犯すのは、女性よりもずっと男性に多いと指摘、「調査によると、男性の8割から9割が、女性の暴力や裏切り〔=不倫〕の被害者となっている〔※ママ。「男性」と「女性」が逆になっている可能性があるが、「女性の暴力」が「精神的暴力」である可能性も否定できない〕」と続けた。

〔‥‥〕

 同氏は、女性に対する暴力の有無を見定める作業は〔手間暇のかかる〕大きな作業だが、同時に単純な作業でもあるとした上で、「まず最初に、治療・保健センターで、家族ないし女性に対する暴力について、彼女たち自身に質問することである〔‥‥〕」と説明、さらに次のように続けた。

女性に対する暴力をめぐる問題で非常に難しい問題の一つに、女性たちが暴力の種類についてしっかりとした意識を持っていないことが挙げられる。〔調査では〕私たちの質問に対して、どんな暴力にも脅かされていないと答える女性たちが多かった。中には、妻を殴ることは女に対する男の権利だと考える人もいる。こうしたことについてすべて、町ごと、村ごとに講習を行う必要がある。私たちの教育活動は、まず最初にポスターやパンフレット作りから始まる。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:32189 )