新型車、イラン市場に進出へ:世界のトップメーカー、イラン自動車産業との協力を表明
2013年12月01日付 Jam-e Jam 紙
【経済部:キャターユーン・マーフィー】イラン核問題をめぐるジュネーブ合意から1週間と経たぬうちに、自動車産業への制裁解除にともなって、イラン市場に吉報がもたらされている。〔世界の〕新型車がイランを目指す動きに出ているのだ。
本紙の取材によれば、合意が交わされるまでイラン市場から遠ざかっていた海外の自動車メーカーらは、今やジュネーブ核合意で取り交わされた6ヶ月間の猶予期間を利用して、ライバルに先んじてイラン市場でのかつての地位を取り戻し、確立しようと躍起になっている。
こうした自動車メーカーの中でひときわ目立つのはヨーロッパ勢で、彼らは昨日、〔テヘランで開かれた〕国際自動車会議に続々と姿を現し、我が国の当局者らとの今後の話し合いに向けて評価を行った。このことから、彼らが東南アジアや中国のライバルたちとの戦いに勝利しよう目論んでいることが窺える。
国際自動車会議は海外自動車メーカー150社の参加とともに、ミーラード・タワーの会議センターにて、昨日開催された。1日間の予定で開かれたこの会議には、国際自動車工業連合会(OICA)の〔パ〕トリック・〔ブ〕ラン会長やフランス、日本、ドイツ、イタリア、トルコ、イギリス、中国、インド、チェコ、韓国、スペイン、エジプト、スイス、デンマーク、ルーマニア、マレーシア、及びシンガポールといった国々からの派遣団が出席した。
また、ルノー、プジョー、フィアット、ベンツ、トヨタといった世界に名高き自動車メーカーも、イラン工業史上例を見ぬ今回の会議に参加した。〔…〕
モハンマドレザー・ネエマトザーデ鉱工業商業相は国際自動車会議の傍らで、フランスのルノー社やプジョー社の重役らとテヘランで行った話し合いの詳細について説明した上で、「ルノーとプジョーは、イランの自動車メーカーの協力の下、新型車を市場に投入する予定だ」と述べた。
同氏は記者団の前で、「ルノーやプジョーは特に、長年イランの自動車メーカーと協力関係にあった自動車メーカーだが、しかし強制的な制裁が原因でイランとの関係断絶を余儀なくされていた」と付け加えた。
同氏は「5+1グループとの協議で決まったことを考えると、12月下旬までにイランの自動車メーカーに対する制裁は取り除かれ、海外の自動車メーカーとの協力が可能になることを、われわれは期待している」と言明、さらに「国内メーカーが飲むことのできないような特殊な条件を、海外メーカーが持ち出さない限り、イランの自動車メーカーが海外メーカーと協力してはならない理由はない」と続けた。
ネエマトザーデ氏は対イラン制裁を理由に海外の自動車メーカーが遺憾の意を示していることについて言及し、「これらの〔欧州の〕自動車メーカーも〔制裁の〕被害を受けてきたのである。もし彼らがイランと協力しなければ、イランの自動車メーカーは必ずや、その他の国々との交渉に入ることになるだろう」と付け加えた。
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■ 世界的な投資家らもイラン市場に進出へ
他方、パトリック・ブランOICA会長は、投資に対するイラン市場の潜在能力は極めて好ましいレベルにあるとした上で、「世界的な投資家らはすぐにでも、イランを目指すようになるだろう」と述べた。
同氏はさらに、「2008年の〔金融〕危機以来、国内の自動車生産量は落ち込んできたが、しかし今やイランは新たな段階に入っており、世界的プレーヤーとの間で果たすべき役割や、その可能性を発揮することが求められている」と付け加えた。
同氏はまた、「イランの自動車産業は、生産を維持・拡大させると同時に、品質を守る必要がある。もしイランが〔自動車の〕輸出国になりたいのであれば、高品質の製品を供給しなければならない」とも述べた。
こうした中、ルノー社は〔イランの〕自動車産業との戦略的協力の用意を表明した。同社のアジア太平洋部門責任者のジル・ノルマン氏は国際自動車会議の席上、「ルノー・グループは過去10年間、7モデル約40万台の車をイラン市場に供給してきた」とした上で、「わが社にとって大きなポテンシャルがあるとみなされる国であれば、どの国にであれ、われわれは投資を行い、戦略的プラットフォーム(基盤)を確立するつもりだ。ルノーは他のどんな国際的団体にもまして、イラン的な企業だ」と言明した。
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( 翻訳者:841008 )
( 記事ID:32206 )