イエメンの主要観光サイトの一つソコトラ島(rihlat.com)
■テロ、イエメン観光に打撃
【サナア:本紙】
イエメン観光促進委員会副委員長アルワーン・サイード・シャイバーニー氏は、サナア中心部の国防省施設を狙った最近のテロ事件が、10年以上前から被害を受けているイエメンの観光にとって致命的打撃となると述べた。「国際グループ」の代表取締役でもあり、イエメン観光業界の一大権威であるシャイバーニー氏は、本紙のインタビューで、イエメン観光は、数年が経ち、国の治安状況が安定するまでは、活気を取り戻すことはできないだろうと述べた。
同氏は加えて、「年間約16万から18万人におよぶヨーロッパ・アメリカからの大量の観光者グループや、年間100万人以上にのぼるサウジアラビアや湾岸諸国からの大量の観光客がイエメンに訪れていた以前の時代と比べて、今は十分に観光に適した状況にあるとはいえない」と述べた。また「イエメンの観光には近隣諸国からの帰国者しか残らなかった。彼らはサウジや湾岸諸国の国籍を得たイエメン出身者で、彼らの家族や親族、隣人と時間を共に過ごすために帰国しているのだ。」
またシャイバーニー氏は、イエメンが自国の持つ観光資源を十分に活用できていない理由を尋ねる質問に対し、「我々のもとには歴史的・文化的資源があり、自然の美しさ、環境の多様性があり、人々にはもてなしの心がある。これら全ては海外からの観光客を引き付ける促進要因である。しかし非常に残念なことに、我々は安全を必要としている。もし国が治安面で不安定であったら、観光を活性化するこうした全ての要素がその重要性を失ってしまう。そして、それが今起こっていることだ」と答えた。
同氏は国民対話会議の後、観光の状況が変化することを期待してこう付け加えた。「我々は飛躍を期待していない。状況は徐々に変化するであろうし、それが求められていることだ。もし変化が起これば、投資家はイエメンにやってくるだろう。そして、海外に投資を行っている国内のイエメン人も国内に資本を移動することだろう。」
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:大室 奈津美 )
( 記事ID:32270 )