「経験豊かな外交官だが国防の分野では素人」:革命防衛隊総司令官、外相を批判(上)
2013年12月11日付 Jam-e Jam 紙
革命防衛隊総司令官は、「ザリーフは経験豊かな外交官だとは思うが、しかし彼は国防の分野については素人だ。イランとアメリカの軍事力を比較したテヘラン大学での彼の発言は、正しくない」と述べた。
モハンマド・アリー・ジャアファリー少将はイマーム・サーデグ大学で開かれた式典「世界の抑圧に対峙するイスラーム革命」で演説し、とある学生集会でのザリーフ外相の発言を不正確だと指摘した。
革命防衛隊総司令官は、政府関係者が大学で行った「イランの軍事力はアメリカによる二発の爆弾で機能しなくなる」との発言について、質問に答える中で、「そんなことはまったくない。軍事的な分野での経験・知識は、彼にはない」と述べた。
同司令官はザリーフ氏の名を挙げることなく、「彼は経験豊かで見識の高い外交官だとは思うが、しかし軍事の分野での経験はない。にもかかわらず、このような発言をしてしまった」と指摘した。
ジャアファリー少将は自身の発言を明確にするために、「例えば、卑劣で禍々しきイスラエルは、レバノン南部に何発の爆弾を落としただろうか。にもかかわらず、ヒズブッラーが滅ぶことはなかったではないか?」と反問した。
革命防衛隊総司令官はさらに、「もし敵が今、何か事を起こしてやろう、何千発もの爆弾で大攻撃を仕掛けてやろうと思えば、恐らく革命防衛隊の有するミサイル力の10〜20%は破壊されるだろう。しかし革命防衛隊の能力はミサイルに還元されるものではない。むしろこれは、国の戦略能力の一つにすぎない」と強調した。
ジャアファリー少将はまた、「西洋が革命防衛隊に対して、ミサイルの射程距離を短くするよう求めてきた場合、この要請を受け入れるようなことはあるか」との質問に答える形で、「そのようなことは決してあり得ない」と回答、「我が国のミサイルはイスラエルに到達することができる」と指摘した上で、「現在、ミサイルの射程距離をさらに伸ばすだけの能力が、われわれにはある。しかし今のところ、最高指導者の命令によって、われわれのミサイルの射程距離は2千キロに抑えているのである」とした。
革命防衛隊総司令官は発言の別の箇所で、革命防衛隊の政治への関与について、「イスラーム革命が直面する最も重大な脅威は、政治的分野における脅威である。革命の成果を守ることを本務としている革命防衛隊にとって、こうした脅威に沈黙することはできない」と語った。
ジャアファリー氏はさらに、「革命防衛隊の政治的動きに不都合を感じている人々は、革命防衛隊は軍事組織であり、政治に介入すべきではないなどと喧伝し、イマーム・ホメイニーの発言をわれわれにつきつけたりしている。もちろん、われわれは彼らを不愉快な思いにさせるつもりはないが、しかし自分たちの義務については、それを全うするだけである」と強調した。
同氏はまた、革命防衛隊及びバスィージの予算が削られたことについて、「折衝を続けた結果、革命防衛隊予算の減少幅はある程度抑えられた。もちろん、バスィージの予算もある程度削減されているが、その一部については予算上の現実だと考えて、あまり悲観はしていない」と述べた。
※訳注:別の報道によると、来年度予算案での革命防衛隊の予算は、今年度比で3割増しとなっている。ただし、イランの高いインフレ率を考えれば、実質的には増加していないとも言える。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
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