イラン政府、実業家バベク・ザンジャーニを逮捕―トルコ収賄事件の黒幕?
2013年12月30日付 Hurriyet 紙
収賄事件の捜査においてトルコで逮捕されたレザ・ザッラーブ(ルザ・サラフ)と協力関係にあったと供述されたバベク・ザンジャーニがイラン共和国大統領ハサン・ロウハーニの命令により拘束された。
イランの原子力プログラムについてP5+1か国により開催された会談で、欧米諸国との合意に至ったイランのハサン・ロウハーニ大統領は、マフムド・アフムディネジャド前大統領時代に行われたとされる収賄に関しても言及した。イランのファルス報道社によれば、イラン検事総局と内務省は、トルコにおける収賄・汚職捜査で逮捕されたイラン人実業家レザ・ザッラーブと協力関係にあったとされているバベク・ザンジャーニが昨夜逮捕されたと発表した。
■2日で逮捕
ロウハーニ大統領時代に欧米諸国に対し実施した穏健外交と対話の反動は、すでにイランの内政にもみられる。国連とアメリカ合衆国によりイランで実施された制裁の穴をかいくぐりながら、金と引き換えにトルコへ石油や天然ガスを売っていたと言われる、国の最も有名で裕福な実業家のひとりであるザンジャーニは、ロウハーニ大統領の「捜査の一刻も早い完了」の呼びかけからわずか2日後に逮捕された。同国のグラム・ヒュセイン・ムフシーニ・エジェイ司法広報官は、実業家バベク・ザンジャーニの国外逃亡を阻止するために逮捕したと述べた。
■12議員からの書簡
トルコにおける収賄事件捜査の後、イランでもその名をはせたバベク・ザンジャーニの逮捕のために3日前、イラン議会から12人の国会議員がハサン・ロウハーニ大統領、アリー・ラリジャーニ国会議長、そしてイランサードゥク・ラリジャーニ裁判長に向け一通の手紙を書き、収賄容疑でザンジャーニの拘束を求めたという。ロウハーニ大統領は制裁から不当な利益を得ていたとされる“特権付き”の人物が捜査され、取調べが最短期間で完了するよう指示した。
■ザンジャーニ、70の会社に関与
ファルス報道社の記事によるとバベキ・ザンジャーニはマレーシアの第一イスラム投資銀行、トルコのオヌル・エアーを含め、アラブ首長国連邦、タジキスタン、ドバイにある70以上の企業と協力関係にあるか、あるいは株を所有している。記事によればザンジャーニは以前、あるイランの新聞に寄稿したルポルタージュでも、イランや他の国々で協力のある企業で 1万7千が働いていると語っている。イランではバベク・ザンジャーニに対する捜査は、マフムト・アフメディネジャド前大統領時代に政府で重役を担っていた政治家と実業家の浄化プロセスの一環とみられている。
■一刻も早く明るみに出すべき
手紙に署名した国会議員の一人であるアリー・ルザ・セリミ議員は、ファルス報道社に行った会見で、「バベク・ザンジャーニのような人々の不正疑惑は直ちに捜査されなければならない。そうでなければ、世間の我々への信頼も揺るぐでしょう。この事件はす直ちに清算されなければならない。現在世論はこの違反が取り上げられるか否かについて関心を持っています。我々の期待は三権の長(イラン共和国ロウハーニ大統領、アリー・ラリジャーニ議長、サードゥク・ラリジャーニ裁判長)が世間にこの事件について迅速に説明をすることです」と述べた。
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( 翻訳者:池田桃香 )
( 記事ID:32445 )