TÜBİTAK(トルコ科学技術研究機構)によって開発され、「IC身分証明書」として名づけられた新しい身分証明書は、それによって保証される利便性によっても話題になるだろう。新しい身分証明書の配布開始とともに、1976年以来私達の生活にあった、青とピンクの身分証明書の有効性が終わることとなる。
2009年にパイロット県に選ばれたボル県で運用された新しい身分証明書には、ICチップがついている。今日までに5回変わった身分証明書を最新のものとするために行われる作業の結果、このICチップのおかげで、公共サービスを利用する人がその権利を持っているかどうかの確認(=本人確認)が簡単で安全な形で行われるようになる。
■運転免許証が必要なくなる
不十分な人物確認から生じる間違いや不正、金銭的損失(社会保障、健康、保険、銀行取引など)が最小限に抑えられる。(新しい身分証明書が)保証する安全な人物確認によって、電子国家サービスの質と量が向上する。新規化作業の続く運転免許証が電子身分証明書に含まれ得るかどうかの件はというと、まだ研究段階である。これが実現すれば、運転免許証を持ち運ぶ必要はなくなる。
内務省の人口・国籍総局のサイトには、新しい身分証明書に関し次のような情報が掲載されている。
「トルコ共和国身分証明書のパイロット作業は、2007年7月4日付26572版官報で発表された2007/16番首相府通達にしたがって実施されたものである。パイロット作業は、3段階で実施されるプロジェクトの第1段階で、TÜBİTAK UEKAE(トルコ国立電子工学・暗号研究所)によって開発された通信システムの実施と、トルコ共和国身分証明書及びそのカードリーダーのテスト作業が行われた。第2段階は2008年9月1日から同年12月5日の間に、社会保障機構庁と保険省によって指定された、ボル県ボル市(県庁所在地)在住の1万4千人の国民に身分証明書が渡され、実施された。ボル県の市民全員を含む、パイロット作業の3番目で最後の段階は、2009年8月31日に開始され、2010年11月1日に完了した。」
(中略)
■身分証明書の歴史の旅
1927年に最初の国勢調査が行われた後、「全員を登録し、全トルコ共和国国民の身分証明書を」との考えのもとに、1928年、オスマン語の32ページの身分証明書が導入された。ラテン文字への移行後、1929年にはラテン文字で書かれた1枚ものの身分証明書になった。最も長い間(62年間)有効であったこの身分証明書は、1991年まで使用することができた。この中には、男性の兵役に関する情報を含む、全ての情報が記載されていた。1976年には初めて女性と男性の身分証明書が異なる色で(男性は青、女性はピンク)作られた。トルコ共和国登録番号が与えられた後の2000年からは、現在の身分証明書が導入された。現行の身分証明書のそれ以前との違いが、トルコ共和国登録番号があること、配偶者の有無及び宗教が表面から裏面に移ったこととして表れた。
■トルコ共和国身分証明書の有用性
身分証明書によって国民は、様々な文書やカードを持ち運ばずに人物確認を受けることができるようになる。トルコ共和国登録番号が実施されたように、1枚のカード・1つのパスワードの時代となる。詐欺行為から生じる国民の被害が防がれる。電子国家の範囲で提供されるサービスに、インターネットがあるどの場所からも身分証明書を用いてアクセスできる。
専門家らは、新しいカードが、公共機関が国民に対して提供するサービスにおいて電子的な作業プロセスを助け、事務手続きを最小限に減らし、公共サービスを利用する人々が権利を持っているかの確認が、簡単かつ安全な形で行われるようになると述べる。専門家らはまた、不十分な人物確認から生じる間違いや不正、金銭的損失(社会保障、健康、保険、銀行取引など)が最小限に抑えられると話し、(新しい身分証明書が)保証する安全な人物確認によって、電子国家サービスの質と量が向上すると述べた。
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( 翻訳者:粕川葵・木全ともえ )
( 記事ID:32530 )