コラム:チュニジアにおいてイスラームは解決策ではない
2014年01月11日付 al-Hayat 紙

■チュニジアにおいてイスラームは解決策ではない

【ビーサーン・シャイフ(本紙記者)】

暗いアラブの春のトンネルの中に、チュニジアでは一条の希望の光が差し始めた。春そのものの持つ光のごとく。同国はベン・アリー元大統領退陣3周年を祝う準備をする一方、政治危機や経済状態の悪化、治安の不在やサラフィー主義グループの台頭からくる激しい陣痛の後、多くの人々が、同国はもとよりアラブ世界において前例がなく、またブルギーバ憲法それ自体をも凌駕(りょうが)する憲法草案に対し賛成した。

ブルギーバ憲法が当時において政教分離を確立し、時にはそれを力によって推し進めようとした点で「革命的前進」であったならば、新憲法草案は、条項の一部はいまだに協議中ではあるが、さまざまな面で社会的、政治的信仰により圧倒されていた時代のものを超えた。

新憲法中の多くの関連条項と同様に、修正の余地のない第2項はチュニジアが国民主権の上に成り立ち、法によって支配された市民国家であることを明記している。これにより、その依拠する所として、イスラーム法を唯一のものとするのか、あるいはイスラーム法は数ある法の一つであるとするのかとの議論を最終的に解決している。そしてそれはチュニジア人が、とりわけ、チュニジア人女性が獲得していたものを喪失する恐れのもとになされて来た長く、不安な、根の深い論争に終止符を打った。

またこの市民権は、法の下における男性と同等の女性の権利と義務を付与し、その権利という点でいかなる差別をも禁止した。これは「ナフダ」運動の議員たちが女性を「男性を補完するもの」とし、つまり家族に関する規範と個人の地位の面で獲得したものを脅かす提案したことを受けている。この女性の権利は、ブルギーバ時代以来、チュニジア人女性が享受して来た精神的な平等なのである。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:田中大輔 )
( 記事ID:32553 )