34人が犠牲になったウルデレ事件で、軍法廷は『訴追せず』との決定を下した。
軍事検察局は、「トルコ国軍は、トルコ大国民議会と閣議の決定に従い、法に準拠し、計画を実行した」と決定した。
軍事検察局は、ウルデレで34人の命を奪った空爆に関する捜査を完了した。捜査で、容疑者の軍人であるイルハン・ボルク、ユルドゥルム・ギュヴェンチ、アイギュン・エケル、ハリル・エルケク、そしてアリ・ルザ・クウについて起訴が行われる余地のないことが決定された。
■決定の全文
判決では以下のように述べられた。
トルコ国軍軍人は、前述のトルコ大国民議会と閣議決定にもとづき合法的に彼らに与えられた任務を実行し、その任務が遂行されたさいに不可避の過ちを犯したものであるがゆえ、この作戦行動について訴訟を起こされるに足る理由がないことが判明した。よって、捜査の対象となっているこの事件については、353号法107条に基づき、容疑者・弁護士・事件被害者・代理人・参謀本部に対し、不起訴の決定が下された。ただし、本通知から15日以内に、(関係者が)軍または民間・軍の担当官へ、もしくは直接、軍検察へ口頭または書面で不服申し立てをする場合には、その不服申し立ての調査は、直近の軍事法廷である空軍法廷が行うこととする。
■フェルハト・エンジュ氏がツイッターから声明
この件は、ウルデレ事件で多数の親族を失ったフェルハト・エンジュ氏がツイッターから発表した。この報を、共和人民党の副党首セズギン・タンルクルも「フェルハト・エンジュと電話で話した。裁判所は不起訴処分にするようだ。連中(=裁判所)が近いうちに説明する」と述べ、確認した。タンルクル氏は、ヒュリエット紙へ行った説明で、「この決定は予想されていた、彼らは、互いに、無実だとかばいあっている」と述べた。
タンルクル氏は以下のように話した。
「今から一年半前、2012年5月に国会人権委員会へ参謀本部から国防大臣の署名付きの8ページの文書が届いた。その文書から、この結果はわかっていた。これをうけ、丁度一年半前にも、『ディヤルバクル重罪裁判所は権限外(と決め)、軍事裁判でも不起訴処分になるだろう』とと私は言った。そのとおりになった。互いを、無実だとかばいあっている」
■軍事作戦の事故だと述べた
あの文書が国防大臣の署名つきで来たことは、この作戦が政府の承認とともに行われたことを意味していると述べたタンルルック氏は、「首相は第一級レベルで責任がある。第二に、参謀本部にも責任がある。事件がおこったまさにその日に、首相は、参謀本部長へ作戦への感謝を述べていた。事故が報じられた直後から、ヒュセイン・チェリク副首相はこれを『作戦上の事故』と言っていた」と話した。
その後、「次のように疑う」と続けたタンルクル氏は、1994年に似た事件でヨーロッパ人権裁判所が与えた決定を引用し、以下のように話した。
「ヨーロッパ人権裁判所は、1994年に下された類似の判決の判決理由で、戦時法に言及した。このような作戦は、戦時法にさえも反すると述べた。私はこう主張している、エルドアン首相は、この事件のために、遅かれ早かれ国際刑事裁判所で人道に反する罪を起こしたものとして法廷に立つことになるだろう。」
タンルクル氏は、軍事法廷の決定が、ちょうど、政府が司法における裏組織について言及しているこの時期に下されたことは、とても意味深いと述べた。
■平和民主党(BDP)員のベシュタシュ氏「我々は決断を下した。」
BDPのメラル・ダヌシュ・ウルデレ氏は、ウルデレ問題で軍検察が不起訴を決定したと述べ、「我々は決断を下した。我々の決断は正しいものだ」と話した。
■「我々は憲法裁判所へ訴える」
参謀本部軍検察が不起訴決定を下したウルデレ問題に関して、弁護士たちが参謀本部軍裁判所へ不服申し立てをする。ウルデレ住民の弁護士であるディヤルバクル県議会議長弁護士会会長のタヒル・エルチ氏は、この事件の責任がある参謀本部の組織に含まれる軍検事局から客観的な決定は望めないと語り「この決定は我々のためのサプライズではなかった。そもそも軍検察が、これ以外の決定をするはずはない。この決定へ、軍事裁判へ不服申し立てをする。(正しい)結果も得られなかったら、我々は憲法裁判所へ告訴する」と話した。
■一般検察の決定
空中作戦で34人の命を奪ったことに関して、ディヤルバクルの共和国検察が始めた捜査で、テロ対策法第10条担当検事は、「業務上過失致死のため、権限外であるとの決定をし、2013年6月11日にこの裁判(資料)は、参謀本部の軍事検察へ送られた。ウルデレ事件に関して一年半近くの捜査を続けたディヤルバクルの共和国検察庁は、捜査のため、これまでにトルコ国家諜報機構と参謀本部をはじめとして、多くの組織から事件に関して多くの情報と文書を求めた。操作の一環で、無人飛行機も分析した検察は、最終的にトルコ大国民議会で作られた委員会報告書も証拠資料のなかに加えた。
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( 翻訳者:矢加部真怜 )
( 記事ID:32568 )