レジェプ・タイイプ・エルドアン首相のドイツ訪問を各国のメディアが大きく報じた。

ドイツ・メディアはエルドアン首相がトルコのEU加盟問題で協力を望んでいることを報道した。しかしながら望んでいたような返答は得られなかったと明らかにした。さらにエルドアン首相のドイツ訪問の真の目的は選挙のキャンペーンであると主張した。

■世界各紙の反応

Wall Street Journal：「エルドアンのドイツ訪問の目的は、トルコ人ディアスポラだ」との見出しの記事で、エルドアン首相のベルリン訪問の目的は、党首選において多くの得票が見込まれる、ドイツ在住のトルコ人の支持を得ることだと報じた。

Le Figaro：フランス紙は「メルケル首相はトルコがヨーロッパの正規メンバーとなることに懐疑的」と報じた。アンゲラ・メルケル首相にもてなされたエルドアン首相は、再度トルコはEUに加盟すべきだと主張した。そして、「ドイツが今日までに行って来なかったことを、より力強く示すことを望んでいます」と話した。しかしエルドアン首相が訴えるトルコのEU加盟の必要性は、全く説得力のあるものではなかった。メルケル首相はトルコとの加盟交渉プロセスは開かれていると話し、「しかし私は、（トルコがEUの）正規加盟国となることには懐疑的です」と述べた。ドイツの首相は、ヨーロッパとトルコが特別な協力関係を構築することを選択している。アンゲラ・メルケル首相とエルドアン首相の関係は冷えきっている。

Die Welt紙：メルケル首相はエルドアン首相のアピールに動じなかった。官邸でエルドアン首相はとても温和な様子だった。ドイツに居住しているトルコ人の共存について話し合った。それにもかかわらずメルケル首相はトルコのEU加盟問題に対して慎重な姿勢を示した。

Bild紙：エルドアン首相に対してトルコ人の抗議。ベルリンのテンポドロームで、トルコのエルドアン首相は聴衆4千人に演説する。エルドアン首相はここで選挙キャンペーンを望んでいる。なぜならドイツに居住しているトルコ人が今年度初めてトルコでの選挙で投票するからである。エルドアン首相は首相をこれ 以上続ける気はない。大統領になることを望んでいる。

FAZ：メルケル首相はエルドアン首相にいい顔をしなかった。手厚い言葉の代わりに距離を置いた：ベルリンでトルコのエルドアン首相がトルコのEU加盟問題でドイツの支援を求めた。メルケル首相の態度はこれに対して冷たいままだった。

TAZ：エルドアン首相がドイツを訪問している。トルコのレジェプ・タイイプ・エルドアン首相はトルコのEU加盟に向けて宣伝を行った。「司法を制限している」という批判を否定した。

Westdeutsche Allgemeine Zeitung ：メルケル首相はエルドアン首相をかわした。エルドアン首相はトルコのEU加盟問題でアピールすることを望んでいる。しかしメルケル首相は客人(エルドアン首相）とトルコの贈収賄事件や人権侵害について話すことを望んでいる。

n‐tv紙：すべてのポイントが明らかになった。メルケル首相は対談者を言葉巧みにたしなめることに関してプロだ。それで今回エルドアン首相に立ち向かった。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相を「陰謀渦巻く」官邸まで追跡した。（エルドアン首相は）会食のためにアンゲラ・メルケル首相の元へ訪れる時、エルドアン首相に抗議をする何百人もの人々を視界に入れざるを得なかった。口笛と抗議の声が聞こえた。彼らは官邸でエルドアン首相を何が待ち受けているのか知っていた：拒絶と挫折だ。

Die Zeit紙：　エルドアン首相がEU加盟のためにドイツの協力を求めた。エルドアン首相は「EUはトルコを必要としている。EUはトルコなしでは今後を形づけることはできない」と話した。

Focus紙：トルコのEU加盟について、メルケル首相とエルドアン首相の二人の意見は一致していない。政権に対抗する者に厳しく、司法の独立を制限：のような新聞の見出しはトルコと加盟交渉にとって毒である。メルケル首相もこの件について躊躇している。

Der Spiegel紙：エルドアン首相の2つの顔、メルケル首相の隣では親切な態度。トルコのエルドアン首相はベルリンで内政問題を包み隠そうとした。ショーも行った。その対象は、ドイツに住む多くの有権者だ。

Hannoversche Allgemeine Zeitung：「EUはトルコを必要としている」。アンカラではトルコ首相の目の前に解決できない問題と重要な選挙がある。エルドアン首相はベルリンにいる友人による強い支持を期待している。

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本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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（ 翻訳者:小幡あい ）
（ 記事ID:32821 )