52人死亡のレイハンル爆破事件犯人「金のためにやった」
2014年02月11日付 Radikal 紙


ハタイ県レイハンル郡で発生し52名が死亡した爆破事件の裁判が始まった。起訴状には、事件がどのような段階を経て計画されたか、克明に記されていた。主犯は「金のためにやった」と供述している。

2013年3月11日、ハタイのレイハンル郡で爆弾を積んだ車両の爆発により52名が死亡した事件について33名の容疑者の裁判が始まった。
アダナ県第10重罪裁判所で開かれた裁判には、勾留中の容疑者らの他に亡くなった方々の遺族も出席した。
テロ対策法(TMK)第10条に基づき、担当の検察官が作成し裁判所へ提出した起訴状では、容疑者33名(うち15名が勾留中、11名が非勾留中、7名が逃走中)が、子ども5名を含む52名に対する殺人罪、130名に対する殺人未遂罪、25名に対する傷害罪に問われている。
事件を計画したとされているミフラジ・ウラル被告(57歳)、実行犯とされているナスル・エスキオジャク被告(34歳)や、17名の容疑者(うち9名が勾留中、7名が逃走中、2名が非勾留中)に対してそれぞれ53回の加重終身刑と3,597年までの禁固刑が求刑された。事件のことを直接知らずに幇助や犯人を蔵匿したとされている16名の容疑者に対しては10~15年の禁固刑が言い渡された。

■容疑

110ページにわたる起訴状の最初の部分では、爆破事件の3日前に、シリア諜報機関と繋がりのあるTHKP-C(トルコ人民救済党戦線)アージルジレル(Acilciler)テロ組織がトルコ国内で爆破テロを起こそうとしているという内容の電話がハタイ県警察本部にあったことが記されている。また名前が明らかにされていないこの情報提供者が、当初爆破テロはアンカラのコジャテペ・ジャーミイで金曜日に計画されておりその後ショッピングセンターに変更されたと話し、爆破のために購入したミニバス2台にシリアから入手した爆弾が搭載されたと伝えてきたことが明らかにされている。情報提供者が事件の計画に関する詳しい情報に加えて数人の(犯人の)名前まで語っており、情報を受けて警備チームが対策をとったにもかかわらず、事件を未然に防ぐことができなかったと記されている。
起訴状には、組織の構成と前述の容疑者たちの任務に関する情報も書かれている。起訴状によると、THKP/C-アージルジレル・テロ組織のリーダーであるミフラジ・ウラル被告はシリア内戦後、シリア政府の支援を受けて「シリアの抵抗(Mukaveme Suriyyi)」という武装/軍事同盟を結成し、シリア政府に属する武装勢力とともに反体制派と戦っていた。またシリア諜報機関幹部と繋がりがあり、彼らの指示を実行していた。事件は、ミフラジ・ウラル被告とシリア諜報機関の職員とされているオメル・エル・ハティプ被告、身元の明らかになっていない “ハジュ(Hacı)”というコードネームの人物らによって計画されたとされている。ユスフ・ナズィク被告が爆破実行の準備においてミフラジ・ウラル被告の仲介によりシリアのバッシャール・アサド大統領と面会したともされている。

■現場を視察

起訴状によると、事件の主犯とされているナスル・エスキオジャク被告は警察の聴取に対し次のように供述している。
「ユスフ・ナズィクと私はシリアでハジュという人物と知り合った。爆発物を提供したのはこの人物だ。実行のために3万ドルをくれた。事件の2か月ほど前、ユスフ・ナズィクと一緒にアンカラへ行きコジャテペ・ジャーミイの写真を撮り、同日コンヤへ移動し高い建物の写真を撮った。ユスフ・ナズィクは爆弾を乗せた車をそこに移動させると言った。しかしその後、その場所をやめてレイハンルに決定したと言った。爆破が誰のためだったのか、何のためだったのか知らない。私は金のためにやった。」

■主犯の逮捕劇

エスキオジャク被告は、身柄を確保されたときのことについて次のように語っている。
「拘束される前日の2013年6月9日、数人の援助でヤイラダウ郡ギュヴェチリ村付近の、名前は知らないが反体制派の管理下にある村に移った。そこで武装した20人ほどの反体制派グループに捕らえられた。彼らに私の名前はメフメトだと言ったが、信じさせることはできなかった。『お前はトルコにいる反対勢力の兵士を逃がした』とわたしを打った。そしてある者が『こいつの写真をテレビで見たことがある。レイハンルの爆破事件と関係があって、だから逃げているんだ』と言った。その後わたしはトルコ軍に引き渡された」。

■ジルヴェギョズの悲劇から一年

ハタイ県レイハンル郡のジルヴェギョズ国境ゲートで昨年2月11日に起きた爆破事件から1年が過ぎた。シリアへ開かれた国境ゲートの一つであるジルヴェギョズは、18名が死亡し24名が負傷した爆破事件の現場であるものの、今もなおシリアの住民たちへ援助(物資)を送るための重要な拠点となっている。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:32908 )