革命防衛隊総司令官「今のところ口をつぐむが、誰もレッドラインを越えてはならない」(下)
2014年02月19日付 Jam-e Jam 紙
同氏はまた、次のように述べた。
西洋人たちは人文科学において、宗教と政治の分離を求めている。そして彼らの著書は我が国の各大学で教えられ、われわれはそれを急ぎ吸収して、博士号を取得している。もちろん、西洋人たちの哲学やイデオロギーを知ることはよいことである。しかし、これがバスィージ学生の行動の手本になってはならない。
革命防衛隊総司令官は、最高指導者がたびたび力説しているにもかかわらず、いまだ人文科学の分野に〔パラダイムの〕転換が起きていないと指摘した上で、次のように語った。
その一方で、われわれは毎日のように博士号を授与している。人文科学の学生たちはこの学問の宗教的基礎を学ぶべきだ。我が国は危機的状況にある。われわれは危機に直面しているのである。我が国の大学で教えられている事が、革命の教えと適合していないことほど、重大な危機があろうか。転換は、国内のすべての大学で起きなければならない。教育〔省〕や科学省、国軍、革命防衛隊だけではだめだ。これは革命最高指導者の求めていることでもある。
ジャアファリー司令官はさらに、「国を支配する行政システムは一部の革命組織を変性させ、破壊しており、その攻撃の手は革命防衛隊にも及んでいる。しかし革命防衛隊はこうした攻撃に対して抵抗している」と付け加えた。
〔‥‥〕
ジャアファリー司令官はバスィージ学生らに向けて、「前の世代に期待してはならない。なぜなら彼らはすでに歳をとってしまったり、海外の大学で教育を受けて、革命的状態から離れてしまったりしているからだ〔※〕」と述べた。
※訳注:「歳を取っ」た者とはラフサンジャーニー公益判別評議会議長を、「海外の大学で教育を受け」た者とはザリーフ外相を暗に指し示しているものと思われる。
同氏は「革命的であること」の基礎とは、ムスリムの後見人〔=ハーメネイー最高指導者〕のお言葉に耳を傾けることであると強調した上で、「旧世代の革命家たちの多くに対してわれわれが有している問題とは、彼らは革命家ではあっても、革命的な状態を保ってこなかったことにあるのだ」と続けた。
〔‥‥〕
ジャアファリー氏は「イランには青年主義的視点が欠落しているのではないか」との質問に答える中で、「この問題は、確かに行政に存在する。特に管理職では、中年的思考、老人思考へと先祖返りしてしまっている」と述べた。
〔‥‥〕
ジャアファリー氏はまた、核協議に関する質問に答える中で、次のように語った。
政府は「
英雄的柔軟性」のもと、原理原則を守りながら交渉にあたっている。それは制裁圧力を緩和させるため、ないしは国の責任者たちが外国への希望を失い、国内の力に注意を集中させるため、である。〔合意が得られて制裁が緩和されるか、協議が物別れとなるかの〕いずれの結果となっても、それは〔イランにとって〕肯定的なことであろう。もちろん、〔核協議で合意が得られるとしても〕誰もレッドラインを越えてはならない、というのが条件である。とはいえ、師〔=ハーメネイー最高指導者〕がそれを許すはずもないが。
〔‥‥〕
同氏はさらに、
交渉を前に進めなければならないという敏感な状況下にあるので、誰かに口実を与えないためにも、とりあえず〔核交渉については〕口をつぐみ、不平不満は喉のところでとどめておくべきだろう。〔交渉という〕作業は極めて敏感なものであり、その主な目的も、国民の上にのしかかる経済的圧力を取り除くという、非常に重要なことであるからだ。それゆえ、〔核交渉をめぐる問題については〕注意深くスルーすべきだ。
と付け加えた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:33065 )