■エジプトへ1600万ドルの日本の緊急助成金
【カイロ:マールスィール・ナスル】
在カイロ日本大使館はエジプトへの緊急援助の提供を発表した。その総額は12.95億円(1600万ドル)で、2013年度補正予算から拠出される。これは、エジプトで国連諸機関が実行するプロジェクトを支援するためのものだ。
日本大使館は声明で、「この援助は、経済的・社会的開発と民主制移行プロセスの支援、シリア難民の援助、国連の諸機関との協力のもとでの北アフリカ地域とサブサハラ地域の安定への貢献、公共事業を通じた雇用機会の創出…、そして、工業分野での職業訓練を目的としている」と述べた。そして、同声明において、 「私たちは800万ドルを国連開発計画(UNDP)に向けることを決定した。そして、150万ドルを国連工業開発機関(UNIDO)に、99万9655ドルを国連ウィメン(UN WOMEN)に、50万ドルを国連薬物犯罪事務所(UNODC)に向けることを決定した」と続けた。
日本政府は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に140万ドル、国連世界食糧計画(WFP)に70万ドル、国連児童基金(UNICEF)に70万ドルを支援する。そして、同声明は「日本政府は、北アフリカ地域とサブサハラ地域で諸紛争に対処するための意識向上のため、そしてその解決の糸口を見つける方法ついての援助も行う。そのために、国連開発計画に200万ドルを配分した」と述べた。
国際協力省のマルワーン・バドル参事官は、「(2013年)6月30日革命以降凍結された外国の援助の規模は、2000万ドルを超えない」と述べ、それは開発計画に影響を与えない、小額だと見なした。日本国際協力機構(JICA)とブルッキングス研究所と協力してカイロ大学政治経済学部が行う「エジプトにおける包括的成長実現」会議の中で、同参事官は「一部の国際開発パートナーの活動はこの方面において減速した。一方で、彼らの一部は遅いペースではあるが援助を継続した。その中には、世界銀行や欧州投資銀行、欧州復興開発銀行、フランス開発庁に加え、ドイツ、イタリアが含まれる。これらは、債務スワップ計画を通じて行われた」と述べた。
バドル参事官は「サウジアラビアとUAE、クウェートが提供した支援は120億ドルに達し、国際開発パートナーによる援助の3~4倍である。しかしこのことは、私たちが他のパートナーからの支援継続を必要としないということを意味しない」と強調した。そして、このところの大きな後退があったものの、日本との協力の継続を求めた。また、「私は日本に対して、エジプトに関する総体的政策に見直すこと、特に開発に関する政策を要求する。そして、私たちは現状での友人の支援を心待ちにしている」と述べた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:田村颯 )
( 記事ID:33113 )