■湾岸諸国は食品製造に300億ドルを投資
【ドバイ:ダラール・アブー・ガザーラ】
この数年間、湾岸協力会議(GCC)諸国では食品産業に急激な飛躍が起こっており、食品と飲料の工場数は1500を超える。そして、湾岸にある牛乳、乳製品、飲料、ジュース、穀物、菓子産業は、湾岸地域の食品産業の中で最も際立った種類となっている。ドバイで開かれた見本市「ガルフ・フード」に参加した専門家たちは、湾岸諸国の食品産業への投資は300億ドル以上であると推定した。その内訳は、サウジアラビアが全体の62%で、以下クウェート、UAE、オマーン、カタール、バハレーンと続く。
専門家たちは「UAEの食品産業部門は堅実な成長を見せており、成長率は近年上昇している。これは、工業部門のインフラを発展させた政府の努力の結果だ」と述べた。見本市と同時期にドバイ税関が作成した最近のレポートは、「2013年初めから同年9月までの食料品分野でのドバイ首長国の対外貿易は、460億ディルハム(119億ドル)に達した。また、2012年の同期間では430億ディルハムであり、その成長率は7%である」と述べた。
「アウジャーン・コカコーラ飲料」社のミシュアル・カディーブ戦略計画・事業開発担当副社長は「湾岸地域は、ヨルダンやエジプト、リビア、アルジェリア、イラクといった他のアラブ諸国への食品産業の輸出元となった」と述べた。そして、本紙への声明の中で、「湾岸地域の製造業、包装産業、缶詰産業は、域内市場と食品産業の需要を満たすことができる段階にまで来た」と述べた。
湾岸の食糧安全保障の実現は、湾岸諸国にとって非常に重要なものを意味するようになった。これは特に、人口増加と経済発展の中で、また、その他の課題も現れると予想される中で、この点に関し、湾岸諸国が直面する課題が増えたことを受けている。特に、また食品を輸入するために湾岸諸国が支出する毎年の金額が増加していたことも関係している。この額は、2012年に830億ドル、つまり地域レベルの輸入総額の27.7%にまで達することになった。湾岸諸国は食品需要のおよそ90%を輸入しており、このことは、世界が価格上昇と食料品不足に苦しむ中で、湾岸諸国が経験している危機の大きさを示す。専門家たちは、湾岸地域での1人当たりの食料は、2015年には971.2キログラムに、そして2017年には983キログラムに達すると予測し、その中ではサウジアラビアが60%と第1位を占めている。
カディーブ副社長は、GCC諸国は「伝統的な意味での農業国ではない」ことを否定しなかった。そして、複数の報告書は、サウジアラビアと、ある意味でのオマーンを除いて農業資源は乏しいと伝えた。これは、ほとんどの食品産業は輸入原材料に依存していることを意味している。しかし、大部分の湾岸諸国は最近になって、アフリカや南アジア、エチオピア、スーダンの農地購入のために莫大な投資をし始めた。これは、域内市場の食料需要、特に水資源に依存する米や小麦のような食料への需要を満たすためである。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:田村颯 )
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