大統領は〔イラン南部〕ホルモズガーン州訪問の最終日にあたる木曜日、同州の選良らと面会し、補助金改革法の第二ステージについて触れ、「私たちが〔裕福な〕人々に求めたいのは、補助金〔受け取りのため〕の新しい用紙がきたら、必要事項を記入せず、補助金に別れを告げて欲しい、ということである」と指摘した。
イラン国営通信の報道によると、ハサン・ロウハーニー大統領は「エネルギー・キャリヤーの価格上昇〔によって得られた財源〕や国庫から資金を引き出し、45兆トマーン〔日本円で約1兆5千億円〕ものお金を国内にいるすべての人に平等に分け与えるというのは、果たして良いことだろうか」と問いかけ、「果たして、これは正しい方法と言えるだろうか。私たちが言っているのは、これを改革しようということである。〔ところが〕そうすべきではない、不満を抱く人たちが出てくる可能性がある、などと言われてしまう」と述べた。
ロウハーニー師はさらに、「こうしたやり方を続ければ、結果としてエネルギー部門〔の価格〕は日に日に悪化し、保健などのその他の部門の改革も行われなくなってしまうだろう」と明言した。
同師は行動を起こすよう国民全員に呼びかけ、「国民は手に手を取り合って助け合い、未来の子供たち、そして国のことを考える必要がある」と訴えた。
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■ 大統領、バーバク・ザンジャーニー事件の詳細について説明
大統領はまた、〔バーバク・ザンジャーニーによる石油売却益等の横領疑惑について〕「あるグループが、制裁回避のためと称して、国民の利益を《回避》し、国民のお金を横領した。国の全機関が〔一致協力して〕、このお金を国庫に取り戻すことができることを願っている」と述べた。
大統領は次のように続けた。
最初に原油の積荷をある人物に渡した際、その人物がそれを売って、その代金を〔イランに〕もってくるのを待つこともできたはずだった。その上で、次の積荷を彼に渡せばよかったのである。ところが、こうしたことが行われなかったばかりか、彼に現金まで渡してしまった。
ロウハーニー師は、「私たちが〔世界〕各地に抱える借金の支払いのために、この人物に渡したお金は26億ドルで、言われているところによれば、そのすべてが現金というわけではないが、しかし多くが現金であったことも確かだ」と述べ、さらに
3兆トマーン横領事件〔※3兆トマーンは現在の日本円で約1千億円だが、事件当時のレートでは約2100億円〕が取り沙汰されたとき唖然としたものだが、ところが〔今回の横領事件で横領された〕金額はもはや3兆トマーンではなく、9兆トマーンである。今のところ、これが〔横領された金額の〕すべてなのかどうかは分からない。もしかしたら、まだ見つかっていないものが、他にあるのかも知れない。
と続けた。
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Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:33154 )