アフマド・ハータミー師、司法権に謝意:文化イスラーム指導省は批判
2014年03月01日付 Jam-e Jam 紙
テヘラン臨時金曜礼拝導師は、「神聖なるものに対して侮辱行為をすることも可能なほど、開放的な状況になったなどと考えている者たちは、間違いを犯している」と述べた。
イラン国営放送報道センターが伝えたところによると、ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンの
セイエド・アフマド・ハータミー師はテヘラン金曜礼拝での説教で、
われわれが神聖視しているものに対して、非礼なる行為が行われた時代は過ぎ去った。当時の責任者たちがあなた方を支持していた時代では、もはやない〔※〕。今日、全人民はイスラームの防衛に立ち上がっている。彼らが〔イスラームへの〕冒涜を許すようなことなど断じてない。
と指摘した。
※訳注:ここで言われている「あなた方」というのは、表現の自由がある程度認められた、改革派政権時代の高官や知識人たちのことを指しているものと思われる。
同師は文化イスラーム指導省ならびにプレス監視委員会に警告し、
残念なことに、ある新聞は〔初代イマーム〕アリーのヴェラーヤト〔※イスラーム教徒への監督権、国家統治権〕を疑問視し〔※2013年10月下旬に発行停止処分が科された「バハール」紙を指す〕、別のある新聞はキサース(同害報復刑)という法規定に疑問符を付けた〔※1週間前に発行停止処分を科された「
アーセマーン」紙のこと〕。ところが文化イスラーム指導省やプレス監視委員会は、こうした〔イスラームへの〕侮辱行為に対して、適切なリアクションを取らなかった〔※〕。私は、〔この問題に〕タイムリーに関与し、侮辱行為を行ったあの新聞〔=アーセマーン紙〕を発行停止処分にした司法権に対し、感謝の意を表する。
と述べた。
※訳注:アーセマーン紙は司法権によって発行停止処分が科されたが、バハール紙はプレス監視委員会によって発行停止処分が科された。
同師は文化イスラーム指導省に対し、「指導(エルシャード)省は《イスラーム》指導(エルシャーデ・エスラーミー)省であり、同省はこの〔《エスラーミー》という〕接尾語に相応しい仕方で行動すべきである。〔イスラームの信仰に〕懐疑を呼び起こすような作品〔※〕に許可を与えるのは、相応しいこととは言えない」とも語った。
※訳注:ここで言う「作品」とは「アーセマーン紙」のことかもしれないが、映画『ラスターヒーズ』のことを指している可能性もある。よって、「アーセマーン紙」の場合の「許可」とは「発行許可」、「ラスターヒーズ」の場合の「許可」とは「上映許可」ということになる。いずれも、文化イスラーム指導省の管轄下にある。
同師は演説の別の箇所で、「過激主義で意味しているのが何なのか、明確にするべきである。なぜなら、過激主義とは曖昧な語の一つだからである」と述べた。
ハータミー師は、次のように指摘した。
88年の反乱者たち〔※2009年大統領選後の抗議運動を起こした人たち〕は、過激な急進主義者であった。しかし私が指摘したいのは、残念なことに、こうした反乱者たちの一部が、今や寛大にもポストを与えられていることである。その一方で、88年のビロード・クーデターの実現を阻止した熱き血の者たちは、過激主義の名の下で、〔政権運営の〕歯車から追い出されてしまっている。
テヘラン臨時金曜礼拝導師はさらに、「聖なる防衛〔=イラン・イラク戦争〕で自らの血と命、そして名誉を賭けて戦った男たちが、過激主義者などと呼ばれているのである」と述べ、次のように続けた。
もし宗教的情熱に燃えた闘士たちを過激主義者と呼ぶことで、彼らを〔政治の〕表舞台から追い出すことができるなどと考えているのなら、それは間違いである。彼らは最高指導者に導かれており、あなたたちのプロパガンダに絡め取られるようなことは断じてない。
同師はまた、抵抗経済総合政策について、国の経済的自立を保証するものだとした上で、「抵抗経済はあらゆる制裁の魔法を打ち破ることだろう。われわれはこの政策の遂行に即座に応じた三権の長に感謝する」と語った。
テヘラン金曜礼拝での説教で話をしたハータミー師は、世界の政治状況、ならびにイスラームへの恐怖や敵意のうねりを拡大しようとする抑圧諸国の企てについても言及し、「イスラームへの恐怖が世界で広がっているのは、イスラーム〔運動〕のうねりが〔世界中で〕高まっているためだ」と述べた。
同師はその上で、「反イスラームのしるしの一つを、バーレーンに見ることができる。彼の地では少数派が大多数のムスリムを支配し、彼らが息をすることすら許そうとしていない」と付け加えた。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:33160 )