メスバーフ=ヤズディー「政権に対しては根本的なところで批判的」(下)
2014年03月04日付 Mardomsalari 紙
この面会の続きで、〔イマーム・ホメイニー教育研究所の所長を務める〕メスバーフ=ヤズディー師が核交渉に関する自らの所見を述べ、「交渉の内容とは別に、事に当たっている責任者たちの自分たちの仕事に関する説明の仕方は、〔国民の間に核交渉に対する〕疑問を引き起こしている。その結果、特に新政権に対しては疑念と不信が生まれている」と指摘した。
同師はさらに、「交渉団は交渉の現実について、国民にしっかりと情報を提供することで、彼らの誤解と不信を防ぐと同時に、〔情報提供の結果、西洋諸国に対して〕国民が抱くであろう不満を、交渉における駆け引き材料として利用することもできたはずだ」と付け加えた。
最高指導者専門家会議の議員を務める同師は、アメリカ政府関係者による一部の発言に触れ、
交渉チームは、イラン国民に罵詈雑言を浴びせる者たちに対して、『彼らの発言は国内向けのものだ』などと言い訳するのではなく、彼らの力にものを言わせる強欲な態度を非難することもできたはずだ。彼らがこれに抗議してきたら、『私たちの発言は国内向けのものです』と言い返してやることもできたはずだ。
と語った。
アーヤトッラー・メスバーフは発言の別の箇所で、
経済制裁に起因する諸問題について、〔一部のメディアや政府関係者は〕盛んに強調している。〔彼らは〕特に、国庫が空になっていると言明したり、国民の大多数が数個の鶏卵にも事欠くようになっているなどと触れ回ったりしているが、このように強調することは正しいこととは言えない。もし国民の栄誉と自立を誇示するような演説が行われ、スローガンが唱えられていれば、交渉の成功にも効果があっただろう。
と述べた。
同師は最後に、
私たちは核交渉問題に限らず、〔ロウハーニー〕政権に対しては根本的なところで批判的である。私たちが主に懸念しているのは、政権の文化政策が改革派政権〔=ハータミー政権〕時の寛容政策〔※〕に類似したものとなり、88年の反乱〔=2009年大統領選後の抗議運動〕よりも一層危険な反乱の素地が生まれることに対してなのである。
と指摘した。
※訳注:ここでの「寛容」とは、革命の理念からの「逸脱」をも言論の自由として許容するような「寛容」のことであり、無視すべきではない重大問題への「無頓着」や「無関心」、「見て見ぬふり」といったネガティブな意味合いを含んでいる。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:33197 )