プレス祭閉会式でのハサン・ロウハーニー大統領の発言が、第11期政権に批判的な一部の人々の間で波紋を呼んでいる。彼らは口々に、政府は文化をめぐる問題について、責任を回避することはできないと強調している。
まず国会の文化委員会の委員を務めるアリー・ホセイニー議員が昨日、文化をめぐる大統領発言を批判し、次のように述べた。
大統領は、文化をめぐる問題は政府の管轄ではないなどと表明した。こうした発言は、政府が果たすべき文化的役割から自らを放免しようとするものではないのか。〔高等教育を管轄する〕科学技術省、〔初頭・中等教育を管轄する〕教育省、〔マス・メディアや出版、映画などを管轄する〕文化イスラーム指導省などの省庁は、文化問題に大きな影響を与えている。彼らはこうした役割からくる責任を回避することはできないはずだ。
〔元革命防衛隊の司令官で強硬派として有名な〕
エスマーイール・コウサリー議員(テヘラン選出)も、政府はメディアを攻撃するのではなく、メディアの批判を歓迎した方がよいと述べた上で、「メディアについて曖昧な物言いをするのは、大統領に相応しくない。原理派のメディアはどれも、体制、革命、そして政府の守護者である。しかし〔政府の〕誤った行動については、それを批判する。なぜなら、政府は体制の一部だからだ」と述べた。
国会の国家安全保障・外交政策委員会の委員を務める同議員は、ファールス通信とのインタビューの中で、昨日大統領が一部のメディアについて「鋼の砦を築き、司法権も行政権もそこに近づくことができない」と発言したことに触れ、「大統領は何の根拠をもって、こうした発言をするのか。大統領はあらゆるメディアに対して等しく接するべきではないのか」と語った。
大統領の昨日の発言を批判したのは、国会議員だけではなかった。一部の政治活動家やメディア関係者も、大統領への批判に加わっている。
イスラーム連合党のモハンマド・ホルサンド氏はファールス通信に、「穏健政権は〔政権発足の〕最初の日、レッドラインからの後退はないとのスローガンを掲げた。しかし実際には、信徒らの長〔※初代イマーム・アリーのこと〕によるヴェラーヤト(信徒に対する監督・後見)や神聖なるキサース(同害報復刑)の法規定に疑問を投げかけた新聞〔※発行停止処分を科されたバハール紙ならびにアーセマーン紙のこと〕を支持した」と述べた。
ケイハーン紙の発行責任者である
ホセイン・シャリーアトマダーリー氏も昨日、同紙の社説で大統領に向け、「冒涜的な二紙(残念ながらあなたは彼らのことを、政府支持者だと言ったが)以外に、ほとんど制約を受けずに活動しているような政府支持派の新聞があるであれば、その住所を教えてもらいたいものだ」と書き記している。
また、「
ヴァタネ・エムルーズ」紙〔※〕編集長を務めるレザー・シャキーバーイー氏も、ファールス通信に「ある特殊な傾向をもつプレスに肩入れすること、それも原則的には公平無私なスタンスが求められるはずのプレス祭の場でそのようなことをすることは、イラン国民全体の大統領に相応しいことではない」と語っている。
※訳注:「ヴァタネ・エムルーズ」紙は保守強硬派の新聞の一つ。アフマディーネジャード政権で副大統領(国家青年庁長官)を務め、その後アフマディーネジャード政権支持派の国会議員となったバズルパーシュ氏が同紙の所有者となっている。
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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:33249 )